密度の高さだけでなくメンテナンス性も良好

さて、Radiant CXI1000G45を分解していったなかで気づいた箇所がいくつかあるので紹介していこう。まずはメンテナンス性の高さを挙げたい。

先に小さなケースの難しい箇所として冷却と電源を挙げたが、そのほかにもメンテナンス性も挙げられる。Radiant CXI1000G45は、このサイズながら一般的なATXケースと同等の構造であるところが特筆すべき点だろう。一般的にキューブPCでは両側面と上面を一体化した「コの字」カバーが用いられている。対してacubic C10では左右の側面版と天板とで3分割されているのだ。拡張カードの追加を行う際も取り外しの必要なネジは2箇所だけなのだ。

"コの字"カバーではなく、両側面と天板の3パーツで構成されており、必要な箇所のみ開けることで内部にアクセスできる

HDDは正面から見て右側面に立てた形で搭載されている。実際、他の場所にレイアウトしようにもスペースが難しいのだが、逆の見方をすれば混み入った内部まで手を伸ばすことなく簡単にHDD交換作業が行える。拡張スロットは左側面版、HDDは右側面版、そして光学ドライブは天板といったように、それぞれの板が独立している構造は小型きょう体におけるメンテナンスの手間を大幅に低減してくれている。

HDDはこのように正面右側面にレイアウトされている

HDDと光学ドライブはマウンタを介して装着する

Radiant CXI1000G45におけるファンのレイアウトも紹介しておきたい。この製品のケースファンは60mm角のリアファン1基とフロント部に搭載された92mm角ファンが1基。あとは電源およびCPUクーラーという計4基のファンで冷却されている。やや口径の小さめなリアファンも静音性能は高いようで、あまり耳障りなファンノイズは聞こえてこなかった。CPUクーラーと電源ファンはかなり密接してはいるが、よく見れば約1cmほどのスペースがあり十分だろう。電源側は12cmの大型静音ファンで、CPUクーラーも低背タイプのリテールファンだが静音性は良好であった。

リアに装備された60mm角ファン。意外なほど静か

CPUクーラーと電源ユニットとのクリアランス。約1cmほどのスペースがある