パートナー各社のプレゼンテーションでも、Phenom IIへの最適化をうたうソフトウェアが紹介された。まずは市川ソフトラボラトリーのRAW現像ソフトSLIKYPIXシリーズ最上位製品「SILKYPIX Developer Studio Pro」だ。市川ソフトラボラトリーでは、マルチコアへの対応だけでは不十分とし、現像エンジンをPhenom IIに最適化することで4つのコア全てを最大限に活用するという。その結果、AMDが主張する対Phenom X4 9550比120%をさらに上回る145%アップを実現したとアピールしている。また、ゲストである鉄道写真家の広田泉氏も、Phenom IIとSILKYPIX Developer Studio Proの組合せによる現像処理速度には終始驚きの様子だった。Phenom IIに最適化された現像エンジンを搭載するのはSILKYPIX Developer Studio Proのみとのこと。この組合せであれば、デジタル一眼レフの買い換え時に、(データファイルサイズの増大により)ソフトが重くなったという印象も払拭できるとアピールしている。

SILKYPIX Developer Studio ProはPhenom IIへの最適化により、Athlon X2 6000+と比較してPhenom X4 9550で200%、Phenom II X4 940ではさらに45%ほどパフォーマンスアップ

デジタル一眼レフカメラを買い換えたとしてシミュレートすると、旧機で約10秒で現像できていたものが新機では約27秒かかってしまう。ちなみに、この要因は有効画素数の増大。旧機で約11.3MBだったRAWデータは、新機では約25.8MBへと増大するためだ

CPUをAthlon X2 6000+からPhenom II X4 940にアップグレードして約12秒まで短縮、Phenom IIに最適化されたSILKYPIX Developer Studio Proなら約10秒と、以前のスピードまで戻すことがでるとのこと

鉄道写真家の広田氏もこ現像処理速度にビックリ。途中からベンチマークのごとく、より処理の重そうなファイルを選んでみてはPhenom IIに負荷をかけていたが、どれも数秒で現像できてしまい、ついにはPhenom II PCが欲しくなったご様子

世界に1枚という広田氏の鉄道写真がじゃんけん大会の景品に。取材でなければ筆者も参加したかった……

SILKYPIX Developer Studio Proのデモ機。液晶フード付きでクアッドコアCPUを組み合わせたプロ向けと言って良い仕様だ

最近のGPU製品プレゼンテーションでは常連という感もあるLoiloも参加。最新アップデートを紹介している。マグネット機能で仕分けしたファイルをスライドショーとして活用する機能や、マグネットをそのままタイムラインに流し込める機能、そしてYoutube HDへのアップロード機能などが最新版で追加されたとのことだ。これらは無償アップデートなので、ユーザーはアップデートをチェックしてみよう。また、HDビデオ(720p)をUVDで再生するデモンストレーションを実施。GPUによりCPU使用率の引き下げられた点に触れ、CPUをエンコードに割り当てることが可能になる。GPUによってエンコード時間が短縮されればさらに様々なことが可能になるだろう。

新機能のYoutube HDアップロードでは、直感的にビデオ編集できるLoilo Scopeによって日本からのアップロードが増えると良いなとのコメント

720p HDビデオの再生デモ。CPU使用率を引き下げられることで、その他の処理をCPUに分担させるなど様々な可能性が見えてくるとのこと

Loilo Scopeは店頭でもデモンストレーション。イベントごとに新機能が加わり、さらに進化している印象だ

また、こちらも常連のArcSoftからは「SimHD」エンジンの最新情報が紹介された。2009年のInternational CESでも製品が発表されているという「TotalMedia Theatre」。どうやら製品発売は英語版、日本語版ともに1月末になりそうとのこと。販売方法に関しては検討中とされているが、まずダウンロード版が同社直販でスタートした後、パッケージ版の販売が行われるのではないかと、担当者は述べている。最新版のデモでは、ATIプラットフォームにて1920×1080ドット・アップスケーリングに対応したことが紹介されたほか、「QuickTime以外ならアップスケーリング可能」とのこと。さらにデモで目にする1画面を左右分割してアップスケーリングの効果を比較できる「デモモード」が、製品版にも引き続き搭載される予定であることが明かされた。

アップスケーリングには3つの解像度が用意される見込み。320×240ドットなどあまりに小さな映像の場合には1280×720ドットへのアップスケーリングを行うなど、ソースのサイズに合わせて最適なモードが選べる

最新版でのアップスケーリングの実演。左が元映像、右がアップスケーリングされた映像。デジカメで撮影した状態でも右側の方がよりシャープに映し出されていることがわかる。また、CPU使用率も10%前後で推移している

TotalMedia Theatre(SimHDエンジン)のデモ機。Phenom II X4 940にAMD 790GX、Radeon HD 4850などを組み合わせた構成だ

そしてハードウェアメーカーからのプレゼンテーションがロジクール。ロジクールと言えばマウスを思い浮かべるところだが、プレゼンターの寺沢氏は、「マウス以外でもすごいんです」として周辺機器などを紹介。特に秋葉原のPhenom IIイベントとあってゲームユーザー向け製品「G-Series」をアピールした。なかでも注目は発表されたばかりの「Logicool G13 Advanced Gameboard」。エルゴノミックデザイン、強力なマクロ機能を備える25個のGキー、ミニジョイスティックなどゲーム操作に特化したサブキーボードだ。想定される利用方法は、左にこのG13、中央にキーボード、右にマウスといったレイアウトで、ゲーム中はG13とマウスで操作に専念、チャットの際にはキーボードを用いるというように完全に用途を分けるというものだ。展示機で実際の感触を試す来客者も多かった。

Logicool G15 Gaming Keyboard、G13 Advanced Gameboard、G9 Laser Mouseを組み合わせたFPSゲーム仕様なPC。PC自体はPhenom II X4 940にAMD 790FX+SB750、Radeon HD 4870 X2を組み合わせた仕様。ケースは非売品のThermaltake M5 VJ2000BWS Dragon Edition。Dragonプラットドームに合わせて作られたらしい

G13 Advanced Gameboardは左手で操作。右手はマウスにおくことで、シビアなFPSゲームでの操作を最短距離で行える。G13に搭載されたディスプレイにはシステムやゲームのステータスなど様々なデータを表示することが可能とのこと

エルゴノミクスデザインとハンドレストによって手を置いてみるとなかなか「しっくり」くる

G25 Racing Wheelを組み合わせたレーシングシム向けの構成。こちらもDragon Editionなケース