パートナー各社のプレゼンテーションでも、Phenom IIへの最適化をうたうソフトウェアが紹介された。まずは市川ソフトラボラトリーのRAW現像ソフトSLIKYPIXシリーズ最上位製品「SILKYPIX Developer Studio Pro」だ。市川ソフトラボラトリーでは、マルチコアへの対応だけでは不十分とし、現像エンジンをPhenom IIに最適化することで4つのコア全てを最大限に活用するという。その結果、AMDが主張する対Phenom X4 9550比120%をさらに上回る145%アップを実現したとアピールしている。また、ゲストである鉄道写真家の広田泉氏も、Phenom IIとSILKYPIX Developer Studio Proの組合せによる現像処理速度には終始驚きの様子だった。Phenom IIに最適化された現像エンジンを搭載するのはSILKYPIX Developer Studio Proのみとのこと。この組合せであれば、デジタル一眼レフの買い換え時に、(データファイルサイズの増大により)ソフトが重くなったという印象も払拭できるとアピールしている。
世界に1枚という広田氏の鉄道写真がじゃんけん大会の景品に。取材でなければ筆者も参加したかった…… |
SILKYPIX Developer Studio Proのデモ機。液晶フード付きでクアッドコアCPUを組み合わせたプロ向けと言って良い仕様だ |
最近のGPU製品プレゼンテーションでは常連という感もあるLoiloも参加。最新アップデートを紹介している。マグネット機能で仕分けしたファイルをスライドショーとして活用する機能や、マグネットをそのままタイムラインに流し込める機能、そしてYoutube HDへのアップロード機能などが最新版で追加されたとのことだ。これらは無償アップデートなので、ユーザーはアップデートをチェックしてみよう。また、HDビデオ(720p)をUVDで再生するデモンストレーションを実施。GPUによりCPU使用率の引き下げられた点に触れ、CPUをエンコードに割り当てることが可能になる。GPUによってエンコード時間が短縮されればさらに様々なことが可能になるだろう。
新機能のYoutube HDアップロードでは、直感的にビデオ編集できるLoilo Scopeによって日本からのアップロードが増えると良いなとのコメント |
720p HDビデオの再生デモ。CPU使用率を引き下げられることで、その他の処理をCPUに分担させるなど様々な可能性が見えてくるとのこと |
また、こちらも常連のArcSoftからは「SimHD」エンジンの最新情報が紹介された。2009年のInternational CESでも製品が発表されているという「TotalMedia Theatre」。どうやら製品発売は英語版、日本語版ともに1月末になりそうとのこと。販売方法に関しては検討中とされているが、まずダウンロード版が同社直販でスタートした後、パッケージ版の販売が行われるのではないかと、担当者は述べている。最新版のデモでは、ATIプラットフォームにて1920×1080ドット・アップスケーリングに対応したことが紹介されたほか、「QuickTime以外ならアップスケーリング可能」とのこと。さらにデモで目にする1画面を左右分割してアップスケーリングの効果を比較できる「デモモード」が、製品版にも引き続き搭載される予定であることが明かされた。
アップスケーリングには3つの解像度が用意される見込み。320×240ドットなどあまりに小さな映像の場合には1280×720ドットへのアップスケーリングを行うなど、ソースのサイズに合わせて最適なモードが選べる |
最新版でのアップスケーリングの実演。左が元映像、右がアップスケーリングされた映像。デジカメで撮影した状態でも右側の方がよりシャープに映し出されていることがわかる。また、CPU使用率も10%前後で推移している |
TotalMedia Theatre(SimHDエンジン)のデモ機。Phenom II X4 940にAMD 790GX、Radeon HD 4850などを組み合わせた構成だ |
そしてハードウェアメーカーからのプレゼンテーションがロジクール。ロジクールと言えばマウスを思い浮かべるところだが、プレゼンターの寺沢氏は、「マウス以外でもすごいんです」として周辺機器などを紹介。特に秋葉原のPhenom IIイベントとあってゲームユーザー向け製品「G-Series」をアピールした。なかでも注目は発表されたばかりの「Logicool G13 Advanced Gameboard」。エルゴノミックデザイン、強力なマクロ機能を備える25個のGキー、ミニジョイスティックなどゲーム操作に特化したサブキーボードだ。想定される利用方法は、左にこのG13、中央にキーボード、右にマウスといったレイアウトで、ゲーム中はG13とマウスで操作に専念、チャットの際にはキーボードを用いるというように完全に用途を分けるというものだ。展示機で実際の感触を試す来客者も多かった。