ベンチマーク
ベンチマークには「3DMark Vantage」を利用し、GeForce GTX 280のシングル/ 2-way SLI/ 3-way SLIのそれぞれの構成で、同ソフトウェアのPerformance/ Extremeのプリセット選択時のスコアを計測している。各プリセットの設定詳細についてはこちらの記事を参照していただきたい。
あわせて、いつもの「ワットチェッカー」で、システム単位の消費電力も計測している。"アイドル時"はOS起動後の何もしていない状態での消費電力で、"ピーク時"とあるのは3DMark Vantage(プリセット:Extreme)実行時の最大消費電力だ。
色々とスゴイことになってます
3DMark Vantageのスコアを見てみると、特に高負荷のExtremeのプリセットでの伸びが素晴らしく、シングル構成との比較で2-way SLIがおよそ2倍、3-way SLIでもおよそ2.6倍という結果だ。スコアの絶対値も、3-wayでは14,000超えという最強クラスの数字である。比較的低負荷となるPerformanceのプリセットでも、グラフィックスカードを追加する度のスコアの伸びは大きく、総じて投資に見合うだけの飛躍的なパフォーマンスの向上が確認できた。
しかし、その大幅なパフォーマンス向上には代償もつきまとうようだ。問題はやはり消費電力である。アイドル時は意外とそれほどでもないのだが、ピーク時の消費電力がハンパな数値ではない。グラフィックスカードを一枚追加する度に、およそ200W前後の消費電力が加算されて行き、3-way SLIでのシステム全体の消費電力は700Wを超えてしまっている。
ついでに指摘しておくと、今回の「Rampage II Extreme」で「GeForce GTX 280」の3-way SLIをやってしまうと、マザーボード上のヘッダピンの利用が少々難しくなってしまう。事前にレイアウトを確認しておいた方が良い |
パフォーマンスは確かに素晴らしく、導入する意味は多大に存在するわけだが、ここまでの消費電力となると、特に電源ユニットは"選びそう"である。Core i7+X58のシステム自体も、それなりに電源ユニットには気を使いそうな構成ではあるから、これまで使っていた電源ユニットの流用は困難かもしれない。ついでに発熱量もかなりのものだった。電源ユニットとあわせて、PCケースもエアフローに優れたものを新調しておいた方が良いかもしれない。
さて、3-way SLIまで行ってしまうと、とにかく"スゴイ"パソコンが欲しい、という上級者にしかオススメ出来なくなってしまう。ただ、2-way程度までなら比較的導入も簡単だろう。Intel X58 ExpressのネイティブSLIが、確実なパフォーマンス向上につながることは間違いないのだ。また、もう少し低消費電力なグラフィックスカードから選べばさらに扱い易くなる。そういった活用も含め、Intel X58 ExpressのネイティブSLIは、幅広く多くのユーザーにとって価値がある機能と評価できる。