ニコン・キヤノンを中心に進む
パナソニック「LUMIX DMC-G1」。2008年10月31日発売。価格は約82,000円 |
キヤノン「EOS 5D Mark II」。2008年11月29日発売。価格は約285,000円 |
では、メーカーごとに2009年に登場する製品を考えてみよう。まずニコンとキヤノンの両巨頭について。2009年の一眼レフも、この2メーカーを中心に展開することは間違いない。以前はニコンが手堅く、キヤノンがアグレッシブに製品展開を行なっていたイメージがあるが、それがこのところ逆転してきたように見える。2009年もそれが継続されるのだろうか。
ニコンは2007年後半の「D3」、「D300」から明らかに変わってきた。動画機能など、以前のニコンならまず手を出さなかっただろうが、D90でいちはやく搭載してしまった。D3やD700の低ノイズ性能もちょっとすごい。しかしニコンの2009年はというと、ちょっと読みづらい。D3はまだ新しいし、D3xも2008年の年末に出たばかり。エントリークラスのD60も1年も経過していない。そう考えると、ミドルクラスでなにか登場してくるかもしれない。「D200」の後継機があるというウワサもある。後半にはエントリークラスでテコ入れされる可能性もある。
キヤノンはこのところ安定指向というか、新しい機能についてはそれほど積極的でないように見える。EOS 5D Mark II、EOS 50Dともに画素数アップの他はあまり目立った機能がない。オートフォーカスの微調整機能ぐらいだろうか。それでもEOS Kiss X2の高性能とバランスの良さは、キヤノンの底力を感じるところ。また、Kiss系はきっちり1年半でモデルチェンジを行なっているので、2009年秋にはニューモデルが登場するだろう(EOS Kiss X3?)。ただ、夏前に「EOS Kiss F」が登場しているので、若干スケジュールが変わるかもしれない。EOS 50Dの系列も従来は1年半周期のモデルチェンジだったが、「EOS 40D」からEOS 50Dへは1年しか経っていない。これが今後どうなるか興味深い。それより期待したいのはプロ機「EOS-1D Mark III」「EOS-1Ds Mark III」シリーズのモデルチェンジだ。撮像素子や性能はどんどん変更されているが、ボディそのものはキャリーオーバーが続いている。そろそろボディを変えてくる可能性もある。
マイクロフォーサーズは台風の目になるか?
ソニーは、α900の登場で下から上までラインナップがつながった。しかしミドルレンジのα700は、2009年の春で登場から1年半になる。そろそろモデルチェンジが行なわれる可能性が高い。「α770」のような型番になるか、ソニーのエースナンバー"5"を使った「α500」となるかはわからない。今のソニーの勢いからして、両方登場するかもしれない。
オリンパス、パナソニックのフォーサーズ陣営は、当然マイクロフォーサーズを押してくるだろう。オリンパスは試作機をフォトキナに出展しているし、パナソニックは動画機能を搭載したモデルを春に予定しているという。2009年の台風の目になるかもしれない。
ペンタックスは2008年の春に「K200D」とK20Dを立て続けに発売。そして秋にはエントリー向けのK-mを登場させた。年末の時点でK200Dは販売終了になっている。K-mがK200Dの後継機なのか、K200Dに代わるモデルを登場させるのか、まだ何ともいえないところではある。ペンタックスはパンケーキレンズ3兄弟を始めとした独自のレンズでマニアックなファンをもっている。それを活かし、わかりやすい製品を登場させてほしいと思う。
最後はシグマ。この秋に「SD15」の開発発表を行なった。発売がいつになるか不明だが、撮像素子メーカーであるフォビオンを買収し、カメラ開発に本腰を入れていることが伺える。コンパクトカメラの「DP2」と共に楽しみにしたいカメラである。