2008年10月の人気記事

■2008年10月の人気記事
1位 九十九電機が民事再生法の適用を申請
2位 米Apple、新デザインのMacBookおよびMacBook Proを発表 -アルミ筐体採用
3位 キングジム、折りたたみ式キーボードを搭載した文庫本サイズのメモツール
4位 【レポート】PDC2008 - 「Windows 7」デモ初公開、新世代にふさわしい操作性をアピール
5位 米AMD、製造部門のスピンオフで新会社「Foundry Company」を設立

10月はパソコン業界にとって非常に大きな事件が起こりました。この月、九十九電機が民事再生法の適用を申請したのです。東京・秋葉原を中心に、日本のパソコン黎明期から業界を支えてきた、ただのパソコンショップというには心情的にもあまりに巨大な存在である九十九電機の危機に、多くのユーザーと、そして業界関係者も衝撃を受けました。

2位はAppleの新「MacBook/MacBook Pro」。デザインが製品特徴の少なくない部分を占めるMacノートにおいて、本体のデザインが大きく変わった世代ということもあってか、注目度が非常に大きかった発表です。アルミ削り出しという、およそ量産パソコンでは考えられなかったような手法で造り出されたきょう体は、まさにAppleの本領発揮と言えるプレミアム感の溢れる出来でした。

さすがの質感。新「MacBook Pro」

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3位には変り種ガジェット、キングジムが発表したデジタルメモツール「ポメラ」の記事がランクインしました。マイコミジャーナル編集部でも、製品発表されるなり「欲しい!」「今から買ってくる!」と宣言する編集者が続出するなど、ちょっと変わった人達を中心に熱い支持を集めました。非常に面白い製品であることは間違いないので、同社の定番ラベルライター「テプラ」のように、幅広い層へも普及してくれることを願っています。

デジタルメモツール「ポメラ」

4位には「Windows 7」のデモ初公開をレポートした記事。"待ってました"の次世代Windows、「Vistaの存在意義がぁ~」などと嘆くことなかれ、教訓としてしっかり活かされているそうです(泣)。

「Windows 7」の登場は2009年? それとも2010年?

しかしながら、2008年はWindows XPの延命記事が人気であったり、Windows 7への期待が大きかったりと、自宅の複数のパソコンに高価な"Ultimate"エディションのライセンスを入れてまでVistaを愛用している筆者としては、ちょっとだけ悲しい心境だったりします。「みんなどんだけVistaが嫌いなんじゃ~!」と叫びたくなるわけですが、そんな筆者のメインマシンのOSだけはXPだったりするので、人のことは言えませんねっ!。

5位はAMDがついにファブレス企業になったというお話。噂自体は以前からあったわけですが、ついに現実と相成ってしまいました。これを機にプロセッサ・アーキテクチャの開発に専念するとのことなので、前向きに好機ととらえ、これまで以上に素晴らしいプロセッサを提供してくれるよう期待したいところです。

2008年11月の人気記事

■2008年11月の人気記事
1位 【特集】完全版!! 「Core i7」極限検証 - 総合性能プレビュー編
2位 九十九電機が営業一時中断へ、店舗も閉鎖中
3位 日本AMDが「Phenom II X4」と「Phenom II X3」発表 - 次世代CPUブランド
4位 ASUSTeK、ハイエンドEee PC「S101」発表 - 超薄型軽量で6万円台
5位 日本HP、新ミニノート「HP Mini 1000」発表会開催

「Intel Core i7」が市場投入された11月だけに、1位は貫禄の結果。"極限検証"と銘打ったCore i7の特集記事が最も注目を集めました。旧「PCWEB」(マイコミジャーナルの前身媒体)時代から連綿と受け継がれたマイコミジャーナル「パソコンチャンネル」の名物、"徹底的"であることに妥協せず、テスト項目数とページ数が既に著者と編集者と読者のチキンレースの域にまで達しつつある検証特集の最新版です。なお、集計日の都合でランクインこそしませんでしたが、Core i7検証の第2弾である「内部アーキテクチャ解析編」も掲載しています。

左が「Intel Core 2 Quad」で、右が「Intel Core i7」。ちょっと大きくなった

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2位は九十九電機の話題の続報で、今度は店舗営業を突然中断せざるを得ない状況に陥ってしまったというニュースです。主な流れは以下の関連記事の欄に並べますが、その後、なんとか店舗を再開し、この年末年始には新春セールを実施できる状態にまでは復活できたようです。

TSUKUMO eX.の在庫商品が次々差し押さえられていくという場面。秋葉原の街が騒然となった

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3位はAMDの反撃ののろしか!? 45nm世代の次世代CPUブランド「AMD Phenom II」が発表されました。製品投入は「2009年第1四半期の早い時期」(同社)とされています。この45nm世代のアーキテクチャについては、「非常に自信がある」(同社)ともアピールされていただけに、期待して待ちたいところです。

「AMD Phenom II」のロゴ

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4位と5位はどちらも「Intel Atom」を搭載したミニノートがランクイン。2008年は年中無休のミニノート人気ですが、今回の2製品は、これまでとは少々毛色が違うようです。というのも、どちらの製品も高級感や質感、デザインといった、"持つ喜び"を前面に押し出していました。ミニノートの市場も、このままではそろそろ飽和状態と見る向きもあります。ここにきて、トレンドが変わりつつあることを象徴する製品だったと言えるのかもしれません。

ASUSの「Eee PC S101」

日本HPの「HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition」

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10.2型ワイド & Atom搭載の新ミニノート「HP Mini 1000」

2008年12月の人気記事

■2008年12月の人気記事
1位 【レビュー】正式版となったGoogle Chromeを試す
2位 【レポート】「積めるものは全部積んだ」…レノボ、自信のネットブック「IdeaPad S10e」
3位 ソニー、"軽さ"を強調する封筒サイズ新モバイルPCのティザー広告開始
4位 産経新聞朝刊を無償で読めるiPhoneアプリが公開
5位 東芝、最大容量512GBのSATA SSDを発表 - 43nmプロセスの多値NAND採用

さぁ、いよいよ12月。ここまで来ると記憶も鮮明なつい先日の出来事ですので、"振り返る"のも簡単です。まず1位となったのは、「Google Chrome」の正式版の話題でした。ベータ版の頃から多大なる支持を得ていたGoogle Chromeだけに、ユーザーの受け入れ態勢も万全だったのでしょう。筆者の周囲でも目に見えてユーザーが増えていました。

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2位はまたしてもネットブック。2008年は最初から最後までネットブック/ネットトップをはじめとするミニノートの年だったと改めて思い知らされました。2008年の最後にランクインしたのは、「ThinkPad」で知られるレノボ・ジャパンの「IdeaPad S10e」でした。製品の仕上がりもさることながら、レノボ・ジャパンにとって初の"コンシューマ市場向け製品"だったという点も、注目に値します。

レノボ・ジャパンの「IdeaPad S10e」

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さて、少しばかり"困ったちゃん"なのが3位の記事です。わかっているのは、「VAIO New Mobile」で、「Coming Soon」で、あとは「封筒サイズ」ということぐらい。まぁ"ピン"と来ることぐらいは勿論あるわけですが、これだけの情報では迂闊なことは言えません。ただ、VAIOと明言しているわけだし、封筒サイズの超薄型/軽量モバイルノートなんですよね? と、素直な筆者としては想像するわけです。

さて、これは何でしょう? ソニーの新型VAIOなのは間違いないが……

4位は根強い人気のiPhone/iPod touch関連から、最新の産経新聞朝刊の全紙面をなんと無料で閲覧できるというアプリケーションが公開されたという記事。5位には、SSDは大容量化でも止まるところを知らんのか……という、512GB容量の東芝SSDの発表記事が入りました。

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番外編を少しだけ。12月は、本体メーカー各社から2009年春モデルが続々と発表された月でもあったのですが、そんななかでもランキング上位グループに位置しつつ、ひときわ異彩を放っていたのが、九十九電機の「仏恥義理 入魂★デコPC」の発表記事でした。2008年は色々あった九十九電機だけに、現場スタッフの士気が気掛かりだったのですが、価格が464,900円で「夜露死苦」になっているあたりからも、どうやら"ノリノリ"であることがわかり、少し安心しました。ところで、完全受注生産らしいですが、ツクモさん、結局何台売れましたか?

九十九電機の「仏恥義理 入魂★デコPC」。気合が入っているはずだが、どうにも脱力感たっぷり

2009年があけましたっ!

さて、駆け足でしたが、マイコミジャーナル「パソコンチャンネル」に掲載された記事から、2008年を振り返ってみました。なお、通年で一番読まれた記事は「【特集】完全版!! 「Core i7」極限検証 - 総合性能プレビュー編」でした。集計期間が比較的短かったにもかかわらず、アクセスランキングでトップというのは、新技術に強い興味を持つ読者の方がそれだけ多かったということなのでしょう。

それでは皆様、最後になりましたが、本年もよろしくお願い申し上げます。