パスト連写&超高速連写で決定的な瞬間を

レンズの画角だけならデジタル一眼レフでもカバーできるし、実際に多くの飛行機写真が撮られてきた。しかし、超高速連写が可能なEX-FH20やEX-F1でこそ切り取れるシーンがある。それが秒速数百メートルという超高速で対向する2機の飛行機がすれ違う演目の写真だ。

まさにすれ違うその一瞬を撮影することは通常のデジタル一眼レフではなかなか難しい。ほんの0.1秒シャッターチャンスが違っただけで数十メートル離れてしまうわけで、自分の反射神経を信じて一枚のシャッターチャンスに賭けるか、連写でタイミング良くシャッターが切れる運に任せるかの択一となる。

EX-FH20におけるパスト連写の場合、シャッターボタンを半押ししている間はバッファに40枚の写真を撮り溜めている。シャッターボタンを押し込んだ瞬間に、設定された時間分遡ったところから連写バッファの写真を記録する。写真右では、シャッターボタンを半押ししながら一機をファインダーで追い続け、すれ違ったと思った瞬間にシャッターを押している。今回は目で見てから指が反応するまでのタイムラグを考慮して、シャッターを押す0.7秒前からの写真を記録する設定とした ※写真左はEX-F1で撮影

EX-F1の秒60枚の高速連写なら飛行機が秒速200メートルで飛行しているとしても約3メートルおき、EX-FH20の秒40枚という連写性能でも5メートルおきに撮影することができる。一般的なデジタル一眼レフが秒6枚の連写性能だとすれば30メートル以上の間隔になってしまうことを思うと超高速連写がいかに凄いかを実感できるだろう。さらに、シャッターボタンを押す前からの時間を遡って記録できるパスト連写機能を併用することで、決定的な瞬間を確実にものにすることができるのだ。いままでは熟練した飛行機写真愛好家でなければ撮影できなかった写真を、EX-FH20のようなハイスピードデジタルカメラを使用すれば簡単に撮影できる。……つづきを読む

写真を天地反対に掲載しているわけではない。180度上下反転した状態で2機が対向して接近し、極近距離ですれ違う瞬間をFX-FH20で撮影した(左)。本当に一瞬のことなので、よほどの反射神経があっても狙ってこの瞬間を切り取ることはできないだろう ※写真右はEX-F1で撮影