IEDM2日目(12月16日)午前:4,800万画素のCCDイメージセンサ

2日目の午前は、セッション10~セッション16までの7個のセッションが並行して開催される。セッション10「CMOSデバイスとCMOS技術」は「しきい電圧ばらつきとスケーリング(Vth Variation and Scaling)」、セッション11「ディスプレイ、センサ、MEMS」は「イメージセンサ技術(Imaging Technologies)」、セッション12「メモリ技術」は「抵抗変化型メモリと磁気メモリ(Resistive Memory and Magnetic Memory)」、セッション13「将来技術(Emerging Technologies)」は「医療とバイオに向けたナノ技術(Nanotechnologies for Medicine and Biology)」、セッション14「キャラクタライぜーション、信頼性、歩留り」は「ESD/メモリの信頼性(ESD/Memory Reliability)」、セッション15「量子デバイス、パワーデバイス、化合物半導体デバイス」は「高誘電体を利用するIII-V族MOS FET(III-V MOS FETs with High-k Dielectrics)」、セッション16「プロセス技術」は「ゲルマニウムチャンネルのCMOSとゲートスタック(Ge-Channnel CMOS and Advanced Gate Stacks)」をそれぞれサブテーマとする。

まずセッション10に注目しよう。IBMと東芝、Chartered Semiconductor、Samsung Electronis、Freescale Semiconductor、Infinion Technologies、STMicroelectronicsの共同チームが、高誘電体膜/金属ゲート(High-k/Metal Gate)による32nmの低消費電力SRAM技術を発表する(講演番号10.1)。基板はバルクシリコン。SRAMセルの面積は0.149平方ミクロンと0.124平方ミクロンである。続いて東芝とIBM、Freescale、AMDの共同チームが、高誘電体膜/金属ゲートとフィンFET(FinFET)を組み合わせた32nmのSRAMセルを試作した結果を報告する(講演番号10.2)。メモリセル面積は最小0.128平方ミクロン。

セッション11も興味深い。DALSA Professional Imagingがプロ用デジタルスチルカメラに向けた4,800万画素のCCDイメージセンサの開発成果を披露する(講演番号11.1)。画素配置は6,000画素×8,000画素。センサの大きさは36mm×48mmである。

セッション12も要注目だ。パナソニックと東京大学の共同チームが、寿命が10の9乗以上と長い抵抗変化型メモリ技術を発表する(講演番号12.2)。データ保持期間は10年以上。寿命と保持時間のいずれも85℃の温度環境下での値である。

セッション14では、Padova UniversityとNumonyx R&D、STMicroelectronicsほかの共同研究チームが、最先端フラッシュメモリにおける中性子線ソフトエラーを論じる(講演番号14.6)。これまでDRAMとSRAMの中性子線ソフトエラーは研究成果が公表されてきたが、フラッシュメモリでの研究発表は珍しい。