IBM - 高密度のxシリーズを展示
IBMのブースは左の入り口から入って3つめと少し奥まっているが、Crayと隣り合っており、また、米国の国立研究所のブースが周りにあるという位置にある。
今年のIBMブースのスパコン関係の製品は、水冷のp575と、BlueGene/Pの展示であり、昨年と同じで、新味がなかった。スパコン専用の製品ではないが、今年は、それらに加えてpシリーズハイエンドのp595のBookと呼ぶユニットと、ローエンドのp550(正確にはp520というさらに下位モデルもあるが)を展示していた。
p595には、この4個のCPUモジュールと専用のメモリモジュールが載っているブックを最大8冊搭載できるのであるが、p595本体は展示されていなかった。
また、今年4月に発表した「System x iDataPlex」という高密度のxシリーズ(x86ベース)サーバを展示していた。2Uのサーバを2列21段積む筐体で、筐体の端の隙間に1U程度の薄型のスイッチを縦にして搭載している。ピザボックス筐体を縦にしてロッカーに載せる実装をみたのは、これが始めてで、新鮮であった。
この筐体は、前面から背面に空気を流して冷却するが、高密度実装で発熱も大きいので巨大な水冷のバックドア(写真では取り外された状態)が付いている。このバックドアは強力で、排気の温度を吸気温度よりも下げられるという。
CRAY - パーソナルスーパーコンピュータを出展
CRAYも、ハードウェアとしては、昨年度も展示していたXT-5がメインであったが、昨年は空冷のキャビネットを展示していたのに対して、今年は代替フレオン(R134a)の液冷システムである「ECOphlex」を装備したキャビネットを展示していた。
写真に見られるように、代替フレオンを通すステンレスのパイプが筐体の上を走り、そこから各3本のホースが筐体内の熱交換器に繋がっている。
新製品としては、Xeonベースのパーソナルスーパーコンピュータと銘打った「CX-1」を展示していたが、こちらは2ソケットのXeonブレードを8枚搭載できるブレードサーバであり、あまり特徴はない。オフィス設置を意識してか、Active Noise Cancellationをやっているところが目新しいが、展示会場の喧騒の中では効果は分からなかった。
Sun - OpteronからNehalemまで対応
Sun Microsystemsのブースは中央入り口にあるSGIブースの隣に位置している。
Sunは、テキサス大に納入したConstellationシステムの改良版を前面に展示していた。
テキサス大学のRangerシステム(Top500で6位)のConstellationシステムのブレードのCPUはOpteronであるが、来年早々にドイツのFZJに納入されるシステムではNehalemブレードを使うことが明らかになっている。サーバ用のNehalemチップは、まだ、Intelから発表されていないので説明がまったく無いのであるが、Opteronブレードの隣に置かれていたブレードはNehalemブレードであると見られる。
そして、InfiniBandのスイッチもRangerシステムではDDRであったが、FZJのシステムはQDRとリンク速度が倍増する予定である。
また、Constellationシステムの一部として、Magnumのブレードサーバとは反対側に展示されていたのは、OpenStorageと書かれた多数のディスクが格納できるストレージサーバである。この筐体は裏側にも同じだけのディスクが載る。OpenStorageはSunの製品シリーズ名であるが、現在、同社のWebページにはこの製品は載っておらず、未発表の新製品と思われる。会場では、TSUBAMEシステムの責任者である東京工業大学(東工大)の松岡教授がこのOpenStorageについて色々と質問をしていた。
また、UltraSPARC T2+とメモリのペアのボードを4組搭載するT5440サーバを展示していた。