また、SpursEngineの今後を占うような発表も2つほどあった。ひとつはCRI・ミドルウェアが発表したH.264対応のコンソールエンコーダ「CRI SpursCoder」の無償ダウンロード提供。無償版ということで、ライセンスが関係するオーディオ/マルチプレクスに未対応のコンソール版だが、DirectShow経由で多彩なコーデックのエンコードが可能としている。今後は、このCRI SpursCoderをAACオーディオ/MP4、M2TSマルチプレクスに対応させた有償版を来年1月頃にリリースする予定としているほか、Adobe Plug-inの開発にも着手していると明かされた。

現在提供中の「CRI SpursCoder」無償版に続き、高機能版を1月下旬に予定

Adobe Plug-inの後にもさらに開発予定が!?

もうひとつはリードテックジャパンが紹介したSpursEngine SDKの無償公開だ。これまでSDKは、SpursEngineの開発キットに付属、あるいは同社の組み込みシステムで入手できるのみだったが、今後はSpursEngineを持つ者皆がSpursEngineソフトウェアを開発可能となるわけだ。SDKにはWindows Media Playerで超解像度再生を体験できるサンプルプログラムなども付属する予定。使用許諾契約書への同意が必要とのことだが、年内公開を目指している。

SpursEngine SDKの無償公開が決定

一部は除外されているものの、これでユーザー自身によるSpursEngineソフトウェアの開発が可能となる

このほか、画像拡大技術の技術的な側面を紹介したのが東大発のベンチャーであるモルフォ。デジタル映像で問題となるノイズとはどのようなものかをひとつひとつ紹介した後、それを通常の引き延ばしによって拡大した場合、ノイズまでが拡大されてしまうと指摘。ノイズ軽減と映像拡大を組み合わせる同社の技術によりSD映像をフルHDに引き延ばしても高画質で楽しめることをアピールした。

従来までの映像拡大技術でのぼけたり、ノイズまで拡大されてしまうという問題を防ぐためモルフォはノイズ軽減処理と映像拡大を組み合わせている

この技術とSpursEngineを組み合わせ、PCをはじめとした機器に搭載を予定

ブロックノイズの例(上)

モスキートノイズの例(上)