ニコニコ動画流のTwitter? 数十万人規模のコミュニティ広場が登場
途中、謎のブレイクダンス集団のダンスや、ヒップホップな外人たちのなかに、なぜか一人ひろゆきが紛れこんで微妙に上手いダンスを披露したSUWWEARのプロモーションビデオなどの余興が挟まれるなか、新バージョンの紹介はまだまだ続く。
今回のバージョンアップの大きな目玉として、夏野氏が発表したのが「ニコニコ広場」だ。これは24時間、常にユーザーに開放されるコミュニティスペースで、数十万人規模のコミュニケーションが実現できるという。配信中の生放送や、運営からのお知らせ情報なども表示される予定で、そこから生放送会場へ移動することもできるらしい。夏野氏は「これまでのネットサービスは個人に向けているのが主。共通体験が減っている。それに対してニコニコ動画は逆へ向かう。多人数がわいわい集まって騒げる場所を提供する」と語り、ニコニコ広場へ並々ならぬ期待を寄せている模様。
また、クラウドメッセージングというコンセプトを掲げた夏野氏。ここでいう"クラウド"とはクラウドコンピューティングの「Cloud(雲)」ということではなく「Crowd(群衆)」の意味で、集団での一体感の共有を目指しているという。
プレミアム会員と一般会員の差別化がはっきりと
このほか、来年の1月からスタートするサービスとして「ニコニ広告」が発表された。これは自分、あるいは他人の動画を宣伝できる機能。動画に付与する検索タグに有料で購入するニコニコポイントを使うことで、検索結果の上位に優先的に表示されるもの。多数のポイントを消費したユーザーは動画の最後に提供者として紹介もされる。
基本機能の強化も挙げられ、プレミアム会員はマイリストの最大登録数が無制限に、動画投稿時のファイルサイズが100MBに拡大し、ビットレートも1Mbpsまで緩和されることが発表された。ポイントを使う機会を増やし、プレミアム会員の一層の差別化を進めることにより、収益を改善するのが狙いなのだろう。会場はプレミアム会員席と一般会員席が分かれていたこともあり、微妙な空気が流れたが、その後に行われた質疑応答で「プレミアム会員の値下げは一切考えていない」とした夏野氏。今回のバージョンアップによってプレミアム会員がどこまで増えるのか。それが今後の焦点だといえる。
最後に小林社長は「来年度中に単月黒字を実現する」と力強く宣言して終了しただけに、自信のほどはうかがえたが、次の大会議は「前回が5,000万」(小林社長)、「今回はさらにプラス40パーセントアップ」(夏野エバンジェリスト)と、かなり予算を使ってしまったため、いまのところ未定なのだそうだ。頑張れニコニコ動画。
なお、今回発表された「ニコニコ動画(ββ)」の主な機能は12月12日からスタート。公開されるまでの約1週間だけは「ニコニコ動画(冬)」としてサービスを提供する。