2007年1月30日は、Windows Vistaが一般向けに正式リリースされた日だ。前バージョンにあたるWindows XPから数えると、約6年(Windows XPは2001年10月リリース)の月日が経ち、これは、それまでコンスタントに新OSをリリースしていたMicrosoftとしては、過去に例を見ないほど長期にわたる開発期間である。

その理由に数え上げられるのが、Windows XP Service Pack 2のリリースからもわかるとおり、ブロードバンド時代のセキュリティ対策などへの遅れや、それを補うため、Windows Vista開発に必要だったヒューマンリソースの削減。また、開発当初から発表していた主要機能は、Windows Vistaリリース時におけるコンピュータのパフォーマンスでは実用的にならず、一部の新機能搭載を見送るなど様々な要因が重ね合って、これだけの月日を要してしまった。

その結果は読者諸兄が一番ご存じのとおり、市場やユーザーに積極的に受け入れられたとは言い難い結果になってしまった。要因のひとつとして指摘されるのが、Windows Vistaシステム要件として提示しているVista Premium Ready。1GHz以上のCPU、1GB以上のメモリ、VRAM128MB以上のビデオカードなど、一見するとハードルは低く感じられるが、あくまでもこれらは最低スペック。快適な動作環境を望むのであれば、おおよそ、その2倍のスペックは必要となる。そのため、Windows XPからWindows Vistaへのバージョンアップを控えるユーザーが多く、Microsoftとしては早々に手を打ち出す必要がでてきた。それが、Windows 7(セブン)であると見られている。

Windows Vista→7=2000→XP ?

Windows 7は文字どおり、"7番目のWindowsクライアントOS"という意味を持ち、Windows 1.0→2.0→3.x→95~Me(4.x)→XP→Vista→7となる。ただしメジャーバージョンを繰り上げるほどのドラスティックな変更はなく、OSの核となるカーネルはWindows Vista/Server 2008を元に改良を加えたものを搭載する予定だという。また、リリースタイミングは2010年の前半、順調に進めば2009年末から2010年の初頭とされているが、先ごろ行なわれたWinHEC 2008で同社は、「Windows 7を『2009年のHoliday Season』に間にあわせるため、OEM向けにリリースする」と示唆したそうだ。

これらのことを踏まえると、Windows 7の実質的な開発期間は1年となる。前バージョンのOSリリース直後から次バージョンの開発をはじめるMicrosoftとしては不思議でも何でもないが、ちょうどWindows 2000からWindows XPへバージョンアップしたように(Windows 2000は2000年2月、Windows XPは2001年10月リリース)、Windows 7はWindows Vistaのマイナーバージョンアップに位置するのだろう(図1)。

図01: Windows 7のバージョンダイアログでは、現時点でバージョン6.1となっている

では、プリベータであるWindows 7 ビルド6801から、Windows 7に搭載されるであろう新機能を紹介しよう。ただし、同ビルドはあくまでもプリベータ版。開発途中のベータ版にも達していないため、正式リリース時には本稿で述べた内容が180度異なる可能性もある。また、開発途中版ということもあり、ベンチマークなどパフォーマンス的なポイントには無意味と判断し、割愛することにした。あらかじめご了承頂きたい。ちなみに今回のWindows 7を試用したコンピュータのスペックは、CPUはAMD Athlon 64 X2 4400+、メモリは4GB、グラフィックスカードはGeForce 7800(256MB)といった構成。また、正式版でエディション構成がどのようになるか不明だが、今回はUltimateエディションとしてインストールしている。