Windows XPが高速起動で快適に
OSにはWindows XP Home Edition SP3を採用。スペックとしてはN10Jと同じく、CPUにはAtom N270(1.6GHz)を採用するが、メモリは1GB(N10Jは2GB)となっており、N10Jのように外部GPUを内蔵しないため、Windows Vistaの動作が快適でないという判断だろう。ただ、ビジネス利用も想定するとWindows XP Professionalであればなお良かったと思う。
動作自体は特に引っかかりも感じず、快適に作業できる。電源管理ソフト「Super Hybrid Engine」を搭載し、省電力とパフォーマンスのバランスを制御してくれる。「Super Perfomance Mode」「High Performance Mode」「Power Saving Mode」に加えて「Auto Mode」を用意する。
バッテリ駆動時間は最長で約6.0時間(JEITAバッテリ動作時間測定法)ということで、1日中持ち歩いて使えるというほどではないが、たいていの用途ではバッテリ切れの心配はないだろう。ちなみに、当初、バッテリ駆動時間は約4.6時間との発表だったのだが、測定の基準に誤りがあったそうで、後日より長い駆動時間に訂正されている。
特徴的な機能として「XpressPath」という機能も搭載。OSの起動・終了を高速化する技術と紹介されており、実際に起動や終了時の動作がキビキビしているような印象。長期間使い込んだときにどうなるかは分からないが、少なくとも購入後すぐであれば快適な起動・終了ができそう。
デフォルトの状態では電源ボタンONからWindowsの起動が終了するまで約30秒(ユーザー選択画面がない場合)。終了も同じ30秒だった。30秒ぐらいだったら、普段の利用でも気軽に電源オン・オフができるレベルに感じた。この30秒は、スタートアップに登録したアプリケーションが起動し終わるまでの時間なので、Windows自体の起動はもっと速い。
低価格PCだけあって付属アプリケーションは多くないが、オフィススイートとして「StarSuite 8」がインストールされており、通常の利用であればこれを使えばいいだろう。
60GBのオンラインストレージが付属
S101は、記録メディアにHDDではなくSSDを使う。前述のXpressPathはこのSSDを生かしたアプリケーションだが、HDDのような動作音がないのもメリットだし、体感速度もまったく違和感はない。
容量は16GB。HDDに比べると容量が心もとないというのが正直なところだが、プリインストールのソフトが少ないこともあって、デフォルトの空き容量は11GBになっている。
この16GBの容量を補完するために用意されているのが無料ストレージ「Eee Storage」だ。容量はなんと60GB。Eee PCの別モデルでは10GBの容量を提供するものもあったが、S101はさらに大容量。これだけのオンラインストレージを無償で提供してくれるというのは大きなメリットだ。
Eee Storageを利用するには、デスクトップやマイコンピュータに用意された「Eee Storage」アイコンからアクセスする。Windowsのエクスプローラーが立ち上がり、ローカルフォルダのように扱える。
保存したいファイルは「Eeeウェブストレージ」を開くと表示される「マイドキュメント」「マイピクチャ」などに保存すればいい。「暗号化されたフォルダ」というのも用意されており、最初に複合キーを登録しておけば、データが暗号化されて保存されるので安心度が高まる。
ファイルはドラッグ&ドロップで保存する。アプリケーションの保存ダイアログから直接保存するといったことはできないので、いったんローカルフォルダに保存して、それをコピーする形になる。Eeeウェブストレージ上のファイルは、関連づけされているものであればダブルクリックで開ける。ただし、一時ファイルなので、名前を付けて保存をするか、直接ローカルにドラッグ&ドロップするなどの作業は必要。
Windowsのエクスプローラーと一体化したEee Storage。ドラッグ&ドロップで簡単にファイルを保存できる |
最初に暗号化フォルダを開くとパスワードの設定画面が表示される。これを設定しておけば、ファイルが暗号化されるので安全性が向上する |
ローカルフォルダとまったく同じ使い勝手ではないのが残念な部分ではあるが、インターネットに接続できる環境であれば、60GBの外部記録メディアを持ち歩いているのと似た感覚で使えるのはうれしい。
また、Eee Storageのサイトにアクセスしてログインすれば、Webブラウザ経由で保存したファイルにアクセスできる。共有フォルダも用意されており、保存したファイルの受け渡しにも利用できる。60GBもの容量があるので、大容量ファイルでも余裕がある。
ブラウザからもEee Storageにアクセスできる。複数ファイルを同時に選択して一度にダウンロードできないなど、使い勝手の面では多少疑問も残るところだが、いつでも同じファイルにアクセスできる安心感はある |
いつも持ち歩くことを想定したマシンだからこそ、容量は抑えても静音のSSDを採用し、容量が必要な人にはネット上にストレージを提供する、というこの手法は、ある意味スマートと言えるだろう。