もちろん、モバイルノートとしても利用しやすいさまざまな機能を備えている。無線LANは最大300Mbps(理論値)の高速通信が可能なIEEE802.11n(ドラフト2.0)に対応。
センサーが落下を検知するするとHDDのヘッドを待避させる「東芝HDDプロテクション」や、万が一OSのトラブルでPCが起動しなくなったときも保存したデータをUSBメモリなどに取り出せる「東芝ファイルレスキュー」など、安心して使うためのユーティリティが充実している。
周囲のアクセスポイントを電波の強さに応じてグラフィカルに表示するネットワーク設定ツール「ConfigFree」を搭載。使いやすくかつ見た目にも楽しいツールだ |
落下時などのHDDクラッシュを未然に防ぐ「東芝HDDプロテクション」 |
本体左側面のUSBポートはeSATAポート兼用となっており、SATA接続の外付けHDDを接続して高速にアクセスできる。大容量データのバックアップなどの際に便利だ。
また、細かい点ではあるが、本体右側面にあるSD/SDHC対応のメモリーカードスロットはとても高速だ。高速なSDメモリーカードを使っても10MB/秒も出ないようなスロットを持つノートPCも時折見られるが、dynabook NXのスロットは内部ではPCI接続となっており、高画素のデジタルカメラで撮影した大容量の画像データなどもストレスなく取り込むことができる。
左右側面にはミニD-Sub15ピン、eSATA/USBポート、マイク、ヘッドホン、PCカード、DVDスーパーマルチドライブ、SDメモリーカード、無線LANのON/OFF、有線LANなどの端子が配置されている。音量はボリュームつまみではなく、左右にはじくタイプ。操作することでOSの音量設定がソフト的に変化する |
充実のスペック+リーズナブル+かわいい=dynabook NX
dynabook NXの量販店での実勢価格は、HDDモデルでおおむね20万円を切る程度といったところだ。さらに大画面のノートPCや、より高性能のデスクトップPCがそれより安く売られているなかで、この価格が一般消費者の目にどのように映るか若干気になるところだが、従来のビジネスモバイルノートでも、それなりの性能が得られる構成を選ぶと結局価格が25万円くらいになってしまうことは多かった。NXなら20万円の標準構成でも十分使えるということを考えれば、むしろリーズナブルと見ることができる(しかもOffice 2007が付いてくる)。
冒頭で触れたように、このサイズのパーソナルユース向けノートPCは現状で他にあまり存在しない。デスクノートと、最近話題にあがることの多い10型クラス以下のミニノートの間で、今後ユーザーからどのような反応を得ていくのか楽しみなカテゴリの製品である。
個人的には、3色のカラーバリエーションのうち「ロータスピンク」が最もこの機種らしい色のように思えてならない。繰り返しにはなるが、このサイズのノートPCにこれまで欠けていたのは"仕事っぽくない"スタイリングであり、それによって従来獲得できていなかったユーザーというのは「たまには外に持っていく(かもしれない)からパソコンは小さいほうがいいけど、昼間の喫茶店でサラリーマンが必死にエクセルやってる感じは嫌」と考える層である。
筆者はこれまで、素敵なものを何でもかんでも「かわいい」と表現する文化にくみすることは一切なかったのだが、先日幕張メッセで開催された「CEATEC JAPAN 2008」の会場で初めてピンクのdynabook NXを見た瞬間、思わず発してしまった感想が「あっ、これはかわいいですね」だった。筆者でもわかる"かわいげ"を持った製品なのだから、感度の高い層には相当ハイスペックなかわいい系アイテムとして迎えられるに違いない。
■仕様 | |
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型番 | dynabook NX NX/76GBL |
CPU | Intel Core 2 Duo SU9300(1.20GHz) |
チップセット | Intel GS45 Express |
メモリ | 2GB(最大3GB)DDR2-667 |
HDD | 160GB/5,400rpm |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチ |
グラフィックス | Intel GMA 4500MHD(チップセット内蔵) |
ディスプレイ | 12.1型ワイド(1,280×800ドット) |
ネットワーク | IEEE802.11b/g/n、LAN端子(1000Base-T/100Base-TX/10Base-T) |
カードスロット | PCカードTYPE II×1、SD/SDHCメモリーカード×1 |
インタフェース | ミニD-Sub15ピン×1、ヘッドホン出力(ステレオミニジャック)×1、USB2.0×3(うち1はeSATA共用)、eSATA×1(USB2.0共用)、マイク入力(ミニジャック)×1 |
OS | Windows Vista Home Premium |
バッテリ駆動時間 | 約10.5時間 |
サイズ/重量 | 約286(W)×223(D)×29.9(H)mm/約1.45kg |
ソフト | Office Personal 2007 with PowerPoint 2007ほか |
実勢価格 | 199,800円 |