手順(3)インストーラーの制作
プログラムがうまく動いたら、プラグインを、ATOKに登録するためのインストーラーを作ります。このためには、APIモジュールの<Samples>
フォルダに入っている<script_perl_sample>
の内容を書き換えるのが簡単です。
以下、ひな形を書き換えて、インストーラーを作成するまでの手順を箇条書きしてみます。
フォルダをコピーして、 というフォルダを作ります。 - 「perl_calc\DATA」フォルダに、先ほど作った、eval.pl をコピーします。
- スクリプトの説明ファイルを作成します。DATAフォルダにある「atok_direct_script_perl_sample.xml」というファイルを、「eval.xml」という名前に変更します。そして、このファイルを以下のように書き換えます。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>
<plugin_info>
<name>Perl電卓</name>
<description>計算式を計算します</description>
<copyright>あなたのお名前</copyright>
<major_version>1</major_version>
<minor_version>0</minor_version>
</plugin_info>
インストーラー設定ファイルを書き換えます。SETUP.EXE と同じフォルダにある「SETUPINFO.XML」を以下のように書き換えます。ここで、実際に書き換えるのは、<plugin_file_name>
タグだけでOKです。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>
<setup_info_list>
<setup_info>
<plugin_file_name>eval.pl</plugin_file_name>
<data_folder_name>DATA</data_folder_name>
<plugin_enable>true</plugin_enable>
<only_individual_run>false</only_individual_run>
<add_position>1</add_position>
</setup_info>
</setup_info_list>
必要ならライセンスを書き換えます。SETUP.EXE と同じフォルダにある「LICENSE.TXT」を書き換えることでインストール時にライセンスを表示することができます。ライセンスの表示が不要なら、このファイルを削除します。
手順(4)インストールしてテストしてみる
ここまでの手順で、プラグインのインストーラーが完成しました。SETUP.EXE を実行すると、プラグインを ATOK に登録することができます。
インストール後、このプラグインを利用するには、ATOKの半角アルファベットの入力モードで計算式を入力し、[Ctrl] + [Insert] のキーを押します。すると、計算式が計算され、計算結果が表示されます。
なお、ここまでで作ったPerl電卓は以下よりダウンロードできます。
Perl電卓のソースとインストーラー
まとめ
以上、ここまでの手順で、ATOKダイレクト API for Perl/Ruby の実際の開発方法を紹介しました。開発ツールさえそろってしまえば、非常に簡単にプラグインが作成できることが分かったことと思います。PerlやRubyを使えば、インターネットからRSSなどのデータを取得したり、何かしらの計算を行うようなものが、短時間で作成できると思います。以上、本稿がプラグイン作成の助けになれば幸いです。