先日、ジャストシステムが日本語入力システム「ATOK 2008 for Windows」のプラグインを作成できる「ATOKダイレクトAPI for Perl/Ruby」を公開しました。これは、スクリプト言語の Perl や Ruby を使って、ATOKのプラグインを制作できるというものです。漢字変換時に、変換用のキーを押すことで、変換候補の欄に任意の情報を表示できるというものです。
自由度の高い、Perl/Ruby でプログラムを作ることができので、キーワードに応じてWeb からデータを引っ張ってきて、その情報を表示することができます。ユーザーの興味や関心、業務に合わせた情報を表示できるのです。
特に、業務で日々、何かしらのデータ入力をしているのであれば、これを用いてかなり入力を簡略化できそうです。というのも、これまでのように、辞書から1:1で候補を引っ張ってくるだけでなく、入力に応じて何かしらの計算結果を返したり、Webの情報と参照させたデータを出力させることができるからです。これを応用させれば、メモ帳にキーワードを入力しただけで、何からのバッチ処理を実行させるなんていう裏技的な使い方もできるでしょう。
Perl電卓プラグインを使って計算式を変換したところ。プラグインを導入することで数式を変換させることもできます |
天気予報のプラグインを利用して「東京」で変換したところ。各地の都市名から天気をダウンロードして表示させることができます |
プラグインの制作は簡単!関数を1つ書くだけ!
また、このプラグインのすごいところは、PerlやRubyといった言語で機能を拡張できる部分に加えて、その設計のシンプルさにあります。なんと言っても、関数を1つ作るだけなのです。つまり、ある程度プログラミングができる人なら、かなり気軽にATOKを拡張できるプラグインを制作できると言えます。
そのシンプルさのために、APIが公開されたその日のうちに、有志によって天気予報やRSSリーダー、電卓と言ったプラグインが次々と公開されたのです。誰でも気軽に制作できて、すぐに実用に活かせそうという雰囲気が伝わってきます。
それから、このAPIの開発モジュールが非常に丁寧に提供されているという点も見逃せません。モジュールをダウンロードすると、中には、プラグインのインストーラー制作ツールとデバッガーが提供されているのです。つまり、プラグインの制作から配布・公開までの行程をすべてカバーしてくれているのです。
本稿では、気軽に作成できる ATOK ダイレクトAPI を用いて、簡単なプラグインの作り方を簡潔に紹介します。