決算時の余力を書面添付に

自計化を進め、3カ月前対策を実施している仲田パートナーズ会計では、「決算時に行う特別な作業はほとんどない」(仲田所長)という。そして、その余力を書面添付という業務に回している。

書面添付とは、税務申告書の内容が正しいことを説明する文書を税理士が作成し、それを申告書に添付して税務署に提出する制度のこと。書面添付が行われていると、後日、税務署から調査を受けることになっても、税理士側で対応を済ませられるケースが多い。すなわち、税務面の作業のすべてを税理士側で負担し、経営者は本来の業務に専念できるというわけだ。

加えて、書面添付には過去の決算書類を"信頼できるデータ"にするという側面もある。仲田所長は、数字を大切にしなければならない立場にある経営者にとって、これは大きな利点だと話す。

「書面添付を行ったときの決算書は、税理士により正しいことが証明されている。ずさんな経営を行っていると、決算時に科目の付け替えなどを行うこともあり、決算データが信頼できないものになりかねない。そういう状況に陥ると、経営上の判断を下すうえで過去のデータが参考にならなくなってしまう」(仲田所長)

こうした理由から、仲田パートナーズ会計では書面添付を推奨。一般企業の3%程度しか行っていない書面添付を、同事務所では97%の顧問先に対して実施している。