そのほか、「リアルとサイバーの融合」の一例として、日本マクドナルドホールディングスとドコモの合弁会社・The JVで運営している「かざすクーポン」が紹介された。会員制サービスとして運営し、iアプリ上のデータとして割引クーポンを配布することで、どんな属性の顧客がどんな購買行動を取っているかが詳細に分かるようになったほか、紙のクーポンでは企画から配布まで約1カ月かかっていたのが約1週間に短縮され、その週の売れ行きを見て次の週に配布するクーポンを決めるといった機動的なセール策が打てるようになった。クーポンの利用回数を細かく管理できるので、より大胆な値下げも可能になったという。将来的にはクーポンだけでなく注文のフロー自体を携帯電話上で済ませられるようにできれば、カウンターやドライブスルーでの待ち時間がさらに削減できるとしている。
ネットワークの高速大容量化により、携帯電話でもPC並みのスピードでインターネットを利用できるようになるが、携帯電話には「位置情報がわかる」「加入者本人が使用している」「常時身につけている」といった性質があり、PCに比べて、実生活とサイバー空間の融合を進める作用が大きい。辻村氏は、携帯電話が持つこのような本質的特徴に、技術的進化やグローバル化といった動向が加わったことによって、より多様な端末や、より利用者の生活に密着したサービスが、ここ数年のうちに続々と実現していくとの見方を示し、同社の最新の取り組みには既にその予兆が表れているとアピールした。