国内の腕時計メーカーが、年末商戦に向けた秋冬モデルの新商品発表会を相次いで都内で開いた。10日に開かれたセイコー、シチズン、オリエントの三社合同内覧会と、12日のカシオ新製品発表会を訪れ、腕時計のトレンドを探った。
シチズンの世界最小ムーブメントは衝撃の小ささ
品川プリンスホテルで開かれたセイコー、シチズン、オリエント三社合同の内覧会。来場者の興味をもっとも惹いたのは、シチズンの「EXCEED(エクシード)」レディスコレクションが展示されたコーナーだった。同社は、この日にぶつけるかのように前日、1円玉より小さな世界最小の電波時計ムーブメント「H010」を開発したと発表した。当日の朝刊にはその記事が写真とともに掲載され、業界関係者に驚きを与えていた。
シチズンブース |
会場に入ると、まっすぐ「エクシード」レディスコレクションコーナーへ向かう。これが電波時計? 展示されている時計は、一見ふつうのファッションウォッチと同じ大きさ。電波時計に見えない。だが、横に置かれた剥き出しのムーブメントを見るとさすがに驚いた。1円玉の横に並べられたそれは、確かに小さい。直径18.5ミリ、厚さ3.42ミリ、1円玉よりさらに一回り小さなサイズだ。容積も従来品より約20%小さくなったという。搭載された「エクシード」レディスコレクションの2シリーズ各3モデルは、どれもこれまでに考えられない小さな電波時計になった。
女性の腕元を美しく見せる"世界最小"エコ・ドライブ電波時計 |
この小ささで、エコ・ドライブ電波時計(2局)、しかもカレンダー機能まで付いている。「JIS1種耐磁」、「衝撃検知機能」、「針補正機能」の3つを一体化させた技術「Perfex(パーフェックス)」も搭載した。部品や基板を改良することで小型化を実現し、レディスウォッチに求められる機能と美しさを実現したという。
一方、同社の女性用電波時計といえば、イメージキャラクターに篠原涼子を起用した「xC(クロスシー)」も好調だ。これまでムーブメントの大きさにデザインが制約されていた女性用だが、この世界最小ムーブメントの登場によってデザインの幅が飛躍的に拡大する可能性がある。世界最小ムーブメント搭載の「エクシード」レディスコレクション2シリーズ各3モデルの発売は10月中旬。価格は8万4,000円~12万6,000円(いずれも税込)。……続きを読む