米Appleは米国時間の9日に米サンフランシスコ市で音楽イベントを開催、Steve Jobs CEOがiTunes 8およびiPod nano、iPod touchの新モデルなどを発表した。

音楽イベントの会場となったYerba Buena Center for the Arts

死亡記事の準備稿の誤配信騒ぎもあった話題をジョークに

Jobs氏が壇上に現れて最初のスライドが「The reports of my death are greatly exaggerated」だった。6月のWWDC基調講演以来、同氏の健康問題を指摘する報道が目立っていたが、「私の死亡レポートなんて、あまりにも誇張しすぎだ」というスライドの前で元気な姿を見せて不安説を打ち消すと、会場は笑いと拍手に包まれた。

Appleのメディアイベントでは後半に重要な発表が行われることが多い。集まったメディアも「One More Thing」でサプライズを期待している。ところが今回は「One More Thing」のスライドが登場することなく、あっさりと基調講演は幕を閉じた。そのため終了後には、拍子抜けという声も聞こえていた。だが、この日の講演は、前半に今後のサプライズにつながる起爆剤が仕掛けられていたように思える。レコメンド(お勧め)機能の「Genius」だ。

Jobs氏はまず、Appleのオンラインストア「iTunes Store」の好調ぶりを示す数字を紹介した。音楽850万曲、TV番組30,000エピソード、映画2600本、そして3,000本を超えるiPhone/iPod touch用アプリケーションが販売されている巨大ストアに成長した。クレジットカードを登録しているアカウント数は6,500万に達するという。このようにiTunes Storeの浸透を印象づけた上で、米国におけるHD品質のTV番組の配信、米NBC Universal, Inc.の映像コンテンツを販売再開を発表し、話題をiTunes 8に移した。

SD品質が1.99ドルであるのに対して、HD品質のTVエピソードは2.99ドル

NBCのコンテンツの販売再開で「Battlestar Galactica」がiTunes Storeに復帰