プラットフォームについて
最後にNehalem対応のプラットフォームについてちょっとした情報を。ハイエンドデスクトップ向けのCore i7/Core i7 Extremeについては、ここまで説明してきたとおりの3チップ構成となる(Photo22)訳だが、メインストリーム向けには新たに2チップの構成となる(Photo23)。これに対応したチップセットがIbex Peakで、2009年にはこれを使った4種類のプラットフォームが登場する(Photo24)。
会場ではLynnfiled/Havendaleのリファレンスボードと思しきマザーボードも示された(Photo25)。
Photo25:「チップセットはこれ一つ」と指差すStephen Smith氏(Vice President, Director, Digital Enterprise Group Operations)。 |
ここで取材陣の間で話題になったのは、「DIMMソケットの右にある小さなスロットは何だ?」(Photo26)という事。
Photo26:下側のPCI Express x16スロットには"SDVO VALIDATION"とか書いてあったり、その左脇には"EXP PCIE"とか書かれたソケットの配線が来ていたり、基板の上のほうにジャンパピンが飛んでいたり、とまだ量産前っぽい雰囲気がかなり漂ってはいる。あちこちにデバッグ用と思しきコネクタも配されている。 |
「Turbo Channel用のソケットでは?」とか「デバッグI/Fでは?」などいろいろアイディアは出たのだが、帰国後にMemcon 07 SanJoseの資料を見ていたらそのものずばりの資料が(Photo27~29)。Photo27は現在のIntel Turbo Memoryの構成である。つまりアドオンカード側にNAND Flashとコントローラが搭載され、これがPCIExpressでホストと繋がるという構図だ。ここでNAND FlashにONFIが採用された場合、コントローラはホスト側に持ってこれるため、カードそのものを安く挙げることが可能になる。で、実際にONFIで標準化しているコネクタの片方が、Photo26でDIMMソケットの脇にある奴、というわけだ。
Photo27:以下のプレゼンテーションはMemcon 07 SanJoseでKnut Grimsrud氏(Intel Fellow, Director of Storage Architecture)が発表したもの。氏はSATA-IOのPresidentに加えてCE-ATAやONFIのChairmanを勤めるという大変多忙なお方。 |
Photo28:このFlash側のカードは、適当にホストコントローラの部分を切って繋いだだけのもので、実際のコネクタ形状とは異なる。 |
Photo29:形状、サイズともにDIMMスロットタイプのものが非常に良く似ている様に思われる。 |
しかしそうなると、新たな疑問は「ではコントローラはどこにあるのだ?」ということになる。Photo30にソケットとIbex Peakの周囲のアップを示すが、それらしいものは皆無である。そうなると考えられるのは、Ibex Peakの中にFlash Controllerが搭載されるという事だ。実際これはあっても不思議ではないように思える。こうすれば増設に要するコストは低く抑えられるし、貴重なPCI Expressレーンを占有することもない。OEMのBTOメニューなどにも追加しやすいだろう。
Photo30:シルク印刷で何か書いてあれば分かりやすいのだが、残念ながら特になし。ただ開発用基板というには、妙に印刷もしっかりしているし、HDA CodecやTIの1394コントローラなども搭載されていて、「???」という感じもあるのだが。 |
今回の基板はまだリファレンスデザインというよりも開発用基板といった趣きだし、これがONFIのコネクタと決まったわけではないから、ひょっとすると盛大な勘違いをしている可能性もあるが、ただいかにもありそうな雰囲気ではあった。