1080pのフルHDビデオを再生

リッチコンテンツをドライブするハードウェア、Atom搭載プラットフォームの処理能力の高さを示すため、いくつかのデータや実機デモンストレーションが披露された。ひとつはWEBページのレンダリングの速度で、競合製品と比べてのアドバンテージが紹介される。続いて実機上でデスクトップPCで楽しむような3Dゲームが動作する様子を……。と、ここまでは"いつも通り"の性能アピールだが、今回新たに、実機上での1080pのフルHDビデオの再生デモが行われた。

既存のハンドヘルドで採用例が多いARMとのWEBレンダリング比較

MID実機上で動かしている3Dゲーム「Warcraft」のライブデモとしていた

同じくMID実機上で、今度は1080pのHDビデオデコード。ちなみに、このMIDは小型PCで知られる米OQOが発売予定としているAtom搭載の新モデル

「コンピュータが"置いてある"場所以外でも、リッチな体験をできるようにしたい」。Chandrasekher氏は、1080p動画のデコード処理をデモしたMIDを手に、「これはプロダクションデバイス。既に製品化されている」と説明。「これはポケットに入った世界初のHDだ」と紹介した。

互換性の問題を重要視

これまでChandrasekher氏が、Atomにおいて特にクローズアップしてきたのは、IAプロセッサである故のインターネットおよびソフトウェアとの互換性の高さだ。小型・低消費電力はもちろんだが、リッチなコンテンツ体験を実現することが前提である以上、互換性を確保することは非常に重要だと度々アピールされてきた。

もう何度も出ているので見慣れた感もあるグラフ。実は変わっていないのはフォーマットだけで、データは毎回最新版に更新しているそうだ

Intelは互換性重視という同社らしいアプローチを選択した。互換性が現実的に確保できたのであれば、あとは得意な土俵なのだろう

ではAtomが登場した今、そのテクノロジを使って、デベロッパは実際にはどのような取り組みを行っているのか。まずはβ版が5月にリリースされたばかりという「Flash 10」を利用し、写真編集アプリケーションのデモンストレーションを行った。「最新のFlashだ。PCと同じコードがベースだからであり、他ではこうはいかない」と、互換性がソフトの開発効率を高める例を示した。

Flashベースの写真編集アプリをデモ。ちなみに、使ったサンプルデータは某社会長の顔写真。「私は首になりたくない。頼むからしっかりやってくれよ」(Chandrasekher氏)

オーケーボス。がっ! しかし、いきなり顔がぐにゃり。見事に歪まされたCraig Barrett会長の顔からは……動作自体は問題ないことがわかる