次に、Chumbyの外観を見てみよう。
表面は、合成皮革で覆われていて、触り心地は、ふわふわと柔らかい。中には綿が入っているような弾力がある。液晶付きの化粧ポーチというのは、本当にうまい表現だと思う。色は、薄茶色の「latte」、漆黒の「basic black」、純白の「pearl」の3種類がある。外側が違うだけで中身は同じだ。
前面には、TFT液晶ディスプレイがある。サイズ3.5インチで解像度はQVGA(320x240pix)。液晶の左側にあるスリットはマイクだ。頭の部分にはスイッチが埋め込まれていて、押すとカチカチと音がする。正面右肩あたりに、チャームを取り付けるための丸い金属の鋲が打ってある。
背面には、電源ボタンと電源コネクタ、USBのコネクタが2つとヘッドホンコネクタがある。メッシュになっている部分には、スピーカーが埋め込まれている。無線LANを内蔵しているということだが、アンテナのようなものは出ていない。また、有線LANのコネクタは付いていない。
底面には開口部があり、開くと9V(6P)電池用のソケットがある。電池を付けることで、わずかな間だけだがAC電源を接続せずに動作ができる。
置いた時の安定性を増すため、樹脂ビーズを入れたビーンズバッグがが埋め込まれている。ビーンズバックをめくってみると、化繊の綿とむき出しの基板が見えた。発熱する電子機器に化繊の綿が使われているのは不安があるが、比較的厳しいアメリカの安全性テストには合格しているそうだ。
日本国内の法令についての注意
Chumbyは、日本国内で使用することを前提に作られていないため、(現状では)日本の法律に準じた製品になっていません。個人が輸入したものをそのまま使用すると法律に触れます。電波法には罰則規定がありますので、ご注意ください。まだChumbyを入手しておらず、個人で十分な対応が取れない場合は、予定されている国内販売を待つのが賢明でしょう。
ACアダプタ
海外で販売されているChumbyは、電気用品安全法の認定を受けたACアダプタを使っていません。個人で輸入を行ったものを使用するのであれば問題はありませんが、販売や継続的な輸入業務を行う場合には、適合性検査を行う必要があります。詳細は、経済産業省の「電気用品安全法のページ」を参照してください。
無線LAN
先の問題同様、無線LANアダプタとソフトウェア設定が米国仕様になっているため、そのままでは日本の電波法に違反します。法律に定められた、特定無線設備の技術基準適合証明を新規に取得する必要があります。この点は、「特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則」を参照してください。
これは、通常メーカーや輸入業者が取得するものですが、Chumbyは記事執筆時点では日本での販売が行われていないので、国内で使用するためには使用者が技術基準適合証明を取得する必要があります。
上記の注意点は、いずれもコンセントにささらないとか、日本で販売されている無線APと接続できないというような技術的な問題ではなく、法律上の問題です。個人で使用するにあたっては、上記法律に違反しないよう、十分な対策を行ってください。
ACアダプタについては、国内で入手可能な同容量同一コネクタの製品がありますので、代用品が調達できます。無線LANは、内蔵USBに接続されているので、国内で技適証明を受けた無線LANアダプタを使用することで違反は回避可能です。ただし、ドライバの問題などで、単純に付け替えただけでは動作しません。具体的な付け替えの方法などは、この連載でとりあげる予定です。
記事執筆にあたっては、ACアダプタは代替品を使い、無線LANは内蔵のものを取り外し、アイ・オー・データ機器のIEEE802.11g/b対応無線LANアダプタ「WN-G54/USB」を使用しました(同一形状のWN-G54/USLは、Chumbyでは使用できませんのでお気を付けください)。