ここでは、ベンチマークを行ってマシンパワーを検証してみよう。今回は比較対象として、ASUS製のミニノート「Eee PC 4G-X」を用意した。HP MiniはEee PCに対抗して作られたというウワサもあるだけに、それぞれのパワーが気になるところだ。
HP 2133 ハイパフォーマンスモデル | Eee PC 4G-X | |
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CPU | VIA C7-M ULV(1.6GHz) | Intel Celeron M(900MHz) |
メモリ | 2GB | 512MB |
HDD | 160GB(SATA、5400rpm) | 4GB(SSD) |
OS | Windows Vista Business | Windows XP Home Edition(SP2) |
ディスプレイ | 1,280×768ドット | 800×480ドット |
PCMark05
まずは、PCMark05によるベンチマーク結果から見てみよう。HP MiniがEee PCよりも数値で勝っているのは、「グラフィック」と「HDD」のみ。CPUとメモリに関しては、僅差ながらも劣る結果となった。CPUに関しては単純にVIA C7-MとCeleron Mの性能と見ていいだろう。メモリに関しては、2GB搭載するHP Miniが劣るのはVistaが原因かもしれない。ちなみに、Eee PCのグラフィックが「0」になっているが、実際には計測不能を表わす「N/A」である。
平均起動時間
さらに、Vistaであることから起動時間にも差が出てしまっている。下のグラフは、リセットからデスクトップが表示されるまでの時間を10回計測し、平均値を出したもの。XP搭載のEee PCが1分37秒であるのに対し、Vistaを搭載したHP Miniでは、2分以上もかかっている。今回はHP MiniをダウングレードしてXPに変えるテストを行わなかったが、もし実行していたら違う結果が出ていたことだろう。
SuperΠ(パイ)
CPUの計算能力を計測する「SuperΠ(パイ)」では、Eee PCが大きく上回った。そもそもVIA C7-Mは低電力 & 低価格がウリのCPUなので、この結果はやむを得ないところ。しかし、メモリやHDDが大容量なだけに、CPUのパワーが劣るのは残念だ。
Crystal Disk Mark
最後に、「Crystal Disk Mark」を使って、HDDのアクセス速度とSDHCカード(4GB)のアクセス速度を計測した。SDHCカードのアクセスに関しては、両者ともほぼ同レベルと言っていいだろう。しかし、HDDで大きく差がついた。SSDはHDDよりも高速なはずだが、Eee PCに搭載されているSSDに関しては実は高速ではないのだ。HDDのアクセスに関しては、HP Miniのほうがはるかに快適であると言える。
まとめ
価格の面でも容量の面でも満足できるHP Miniだが、今回のテストで「発熱」と「CPUのパワー不足」に関して不満を感じた。
まずは発熱について。今回は6セルバッテリ+ACアダプタを接続した状態でテストを行ったのだが、使用してから30分程度で、パームレストのあたりが温かく感じられた。底面を触ってみるとかなり熱い。底面と設置面に空間のない3セルバッテリなら、もっと熱くなるだろう。原因はOSやCPUなどいろいろ考えられるが、残念な点である。
CPUに関してだが、確かにVIA C7-Mは多くのUMPCやミニノートPC製品で採用されている比較的メジャーなCPUだ。しかし、CPU以外の基本スペックが高いだけに、CPUの力のなさが目立ってしまう。これが、低スペックのXPマシンなら割り切って使うため、気にならなかっただろう。各パーツの完成度が高いだけに、動画サイトでコマ落ちしてしまったときのガッカリ感はいつもより強く感じてしまった。今後のラインナップに期待したい。
とはいえ、現行のミニノートPCの中では、使い心地は最高クラス。より快適に使うなら、断然、ハイパフォーマンスモデルがオススメだ。サブノートとしても、ビジネス用途としても、十分力を発揮するだろう。
(高橋量 / デジタル・コンテンツ・パブリッシング)