次に、入力デバイスを見てみよう。キーピッチは17.5mmで、デスクトップのフルキーボード並みの大きさ。キーの端から中央に向かってゆるやかなくぼみがあり、非常に入力しやすい。キーボードの使い心地に関しては、現行のミニノートPCの中でもトップクラスに入るだろう。ただ、「ノートのキーボードは小さいもの」という先入観があると、初めのうちは違和感を感じるかもしれない。
注意したいのは、HP Miniのキーボードが英字配列である点。多くの人が使う日本語106/109キーボードとは、配列が若干異なるのだ。英数字は基本的に同じだが、「@」や「=」など記号の位置が違う。また、"¥"や"「」"(かぎカッコ)などは入力はできるが、キーボード上には表示されていない。普段から英字キーボードを使っている人ならかえって好都合かもしれないが、日本語キーボードを使っている人は注意しよう。
タッチパッドのサイズは64(W)×32(D)mmと、かなり大きい。ボディと同じく素材にアルミニウムが採用されていて、サラサラとした触り心地は快適だ。ただ、ボタンに関して少々不満を感じる。まず、パッドの両脇にボタンが配置されているのだが、右クリック相当の操作が行いにくい。左クリックは左手、右クリックは右手と割り振られるので、少々面倒だ。また、ボタンのストロークが深く、「フニャッ」とした感触が気になる。キーボードが優れているだけに、タッチパッドの操作感は残念だ。
ボディの両側面には、各端子が用意されている。USB2.0やメモリカードスロットなど、標準的な構成だ。
バッテリは、スタンダードモデルには3セルバッテリのみ、ハイパフォーマンスモデルには3セルと6セルバッテリが付属する。カタログ上でのバッテリ駆動時間は3セルで約2.3時間、6セルで約4.6時間。実測値では、すべての省電力モードをオフにした状態でBBechで計測したところ、3セルで1時間20分、6セルで3時間25分だった。
容量で考えると断然6セルバッテリなのだが、6セルタイプを装着すると、突起部分ができてしまう。机上で使う分にはキーボードがななめになって使いやすい。また、空間ができるので、底面の熱が冷めやすいという効果もある。しかし、装着した状態での持ち運びは不便だ。
HDDやメモリを見てみよう。バッテリを外すと、奥に3つのネジが見える。HDDやメモリの換装には、まずこのネジを外さなければない。その後キーボードをボディから外すと、HDDとメモリが現われる。特に難しい作業ではないのだが、ネジを外してふたをあけるだけのマシンに比べると、やや面倒だ。
搭載されているHDDは、富士通のMHZ2160BH(5,400rpm、160GB)だ。衝撃からHDDを保護する「HP 3Dドライブガード」に対応しており、揺れを感知するとHDDのヘッド部がセイフティゾーンへ退避され、ディスク面の損傷を防ぐ。メモリはサムスン製で、2GBのPC2-5300 DDR2-SDRAMが1枚搭載されている。