いよいよ北京五輪開幕まであと38日。観戦しにいざ現地へ、という人は少ないにしろ、北京五輪で選手、関係者らが最初に降り立つのは北京首都国際空港(以下、北京空港)だ。"北京の顔"ともいえる北京空港には見所が満載。そのなかでも今回は、今年オープンした巨大ターミナル、北京空港第3ターミナルに注目していく。
2008年2月29日にオープンした北京空港の第3ターミナル。降り立った人たちの誰もが「とにかく広い!」と目を丸くする。なんと第3ターミナルのコンコースの長さは、およそ3キロ。総面積は約100万平方メートルに及ぶ(第1ターミナルは約6万平方メートル、第2ターミナルは約33万6,000平方メートル)。ひとつの空港ターミナルとしては、世界最大の巨大さだ。
ちなみに、成田空港は第1、第2あわせて約77万5,000平方メートル、韓国の仁川(インチョン)国際空港は約49万6,000平方メートル。アジア最大級の空港のひとつ、バンコクのスワンナプーム国際空港は約56万3,000平方メートル、昨年ターミナル2が完成した香港国際空港はターミナル1と2をあわせて約71万平方メートルである。北京空港新ターミナルの広さが想像できるだろうか?
ロイターによれば、新ターミナル建設に投じられた資金は36億ドル(約3,760億円)。設計したのは、英国人建築家のノーマン・フォスター氏で、ドラゴンをイメージしたという。ターミナルは上から見ると「Y」の形をしており、機能的に空間が利用できるよう工夫されている。
天井の高いドーム型の建物は、建築ファンでなくとも、ゆっくりと鑑賞したくなるはず。出発ゲートの近くには、明清時代を思わせる伝統的な中国式庭園が再現されている。到着ロビーでは、中国各地で見られる「九龍壁(9頭の龍が彫られた壁。山西省大同市のものが最大の大きさで有名)」や巨大な壷を見ることができる。
また到着通路には、中国美術史上もっとも優れたリアリズムの大絵巻とされる「清明上河図」の巨大レプリカが掲げられている。これは清明節(4月始め頃)に、春を迎えた数多くの人々の様子を描いたものだ。こちらもちょっと足を止めて、じっくりと眺めてみたい。