Googleは10日、パシフィコ横浜にてデベロッパ向けの交流イベント「Google Developer Day 2008 Japan」を開催した。同社は2007年にも同様にイベントを世界10都市で同時開催している。今年は日本を皮切りに、世界13都市をキャラバン式に巡る形で開催する予定となっている。ここでは、「次世代ウェブに向けて」と題された同イベントの基調講演の様子をレポートしたい。
開催に先立ち挨拶するGoogle Inc. 副社長 兼 グーグル 代表取締役社長 村上憲郎氏 |
グーグル シニア プロダクト マネージャー 及川卓也氏 |
基調講演は、次世代のWebに向けた大きな課題として「3つの"C"」を挙げ、それらの課題に対するGoogleの取り組みを紹介する形で行われた。グーグルでシニアプロダクトマネージャーを務める及川卓也氏は、この3つの"C"を、「クラウド(Cloud)」「コネクティビティ(Connectivity)」そして「クライアント(Client)」のことだと説明した。
インターネット時代の現在、クラウドによって処理能力やデータ容量、展開の容易さにおいてはメインフレーム時代に匹敵するリソースを多くの人が利用することができるようになった。しかし、全てのユーザがそれを満足に利用できる環境かというと、その点においてはまだ不十分であると及川氏は指摘する。そこでこの問題を解決し次の段階に進むためにGoogleが課題として捉えているのが、前述の3つの"C"、すなわち、
- クラウドをよりアクセスしやすく
- コネクティビティをユビキタスに
- クライアントをよりパワフルに
ということだ。現時点で、これらの課題に対する解をGoogleが持っているというわけではない。同社はWeb開発者やユーザーを巻き込んだオープンなWebによるエコシステムの中でこれらの解を見つけていきたいとしており、それをサポートするプラットフォームを提供するのがGoogleの役目だと及川氏は語っている。