2008年4月に販売が開始(ダウンロード版、パッケージ版は2008年5月)されたPerfcetDiskであるが、ユーザーインターフェイスを一新し、多くの新機能加わった。Windowsの標準のツールを使えば、デフラグは十分では?と思う方も少なくないであろう。まずはその機能の違いをみてみよう(表1)。
表1 PerfcetDiskと標準の最適化ツールとの機能の違い
/ | PerfectDisk 2008 | Windows XP標準 | Windows Vista標準 |
---|---|---|---|
SMARTPlacement | ○ | × | × |
Resource Saver(分析速度の向上) | ○ | × | × |
次回からの高速化 | ○ | × | × |
シングルパスで最適化 | ○ | × | × |
シングルパスで空き領域も結合 | ○ | × | × |
ディレクトリの最適化 | ○ | NTFSのみ | NTFSのみ |
MFT(マスターファイルテーブル)内の最適化 | ○ | × | × |
MFTを最適に配置可能 | ○ | × | × |
NTFSのメタデータの完全な最適化 | ○ | × | × |
ハイバネーションファイルの最適化 | ○ | × | × |
ページファイルの最適化 | ○ | × | × |
Windows XPのブートファイルの最適化 | ○ | × | × |
単一、複数ファイルの最適化 | ○ | × | × |
最適化に必要な空き領域の割合 | 1%以上 | 15%以上 | 15%以上 |
空き領域の回復 | ○ | × | × |
テラバイトディスクに対応 | ○ | × | × |
複数ドライブを同時にデフラグ | ○ | × | × |
スロットリング機能 | ○ | × | × |
スケジューリング | ○ | コマンドラインのみ | 一部制限あり |
StealthPatrol | ○ | × | × |
断片化の割合でデフラグを実行 | ○ | × | × |
コマンドラインからすべての機能を利用 | ○ | 基本機能のみ | 基本機能のみ |
まず注目したいのは、SMARTPlacement機能である。書き換え頻度の高いファイルは、空き領域の付近に配置することで、フラグメンテーションの発生を防いでいる。逆にシステムファイルなど変更されにくいファイルは、ハードディスクの先頭に配置し、読み出しが高速になるようにする。したがって、PerfcetDiskで最適化を繰り返すと、最適化作業の効率も上がる(単純には作業時間が減少する)。新バージョンでは、SMARTPlacementがより少ないリソースでさらなるパフォーマンスの向上が図られた。最適化に必要な空き容量をみても、PerfectDiskがいかに効率的にデフラグ作業を行うかが、わかると思う。
さらに、空き領域に対しても独自の機能が多い。標準の最適化ツールでは、ファイルのデフラグはされても、空き領域が断片化されたままであることがほとんである。空き領域が断片化していると、それがフラグメンテーションの発生の原因になってしまう。
PerfectDiskでは、空き領域のみを統合するという機能をもっている。空き領域を統合するだけでもフラグメンテーションの抑制効果はかなり期待できるのである。さらに、空き領域の確保やサイズの大きな不要なファイルの削除を行うこともできる。今回の新機能でも注目の機能である。
StealthPatrolは、システムのアイドル時にデフラグを行う機能である。PerfcetDiskのスケジュール機能と併用することで、デフラグを普段の使用の妨げにならないように実行できる。
また、標準ツールでは、MFTやページファイルなどの最適化を行うことができない。ブートファイルの最適化は、起動時のファイル配置を最適化することで、起動の時間を短縮することが可能になる。
単一ファイルの最適化は「なんでそんな機能が」と感じるかもしれない。具体的には、動画データなどが該当する。動画データはサイズが大きいものが多く、そのファイルが断片化していると、当然のことながらI/Oに大きく負荷が発生する。最適化することで、再生におけるコマ落ちなどの発生を減らせることが可能になる。本来ならば、ハードディスク全体をデフラグすることが望ましいのであるが、この機能を利用することで簡単に再生環境を向上させることができる。
以上のように、Windows標準の最適化ツールにはない機能が、数多く搭載されている。それらの機能を使うことで、めんどうになりがちなデフラグを効率的に行える。以降では、新機能などを利用してデフラグなどの実行例を紹介していく。
PerfectDiskの動作環境は以下の通りである。
- CPU:Pentium(または完全互換)以上のCPUを搭載したIBM PC/AT互換PC
- 対応OS:Windows Vista(32bit、64bit)、Windows XP(SP2以降)、Windows 2000(SP4以降)
- 必要メモリ:Windows Vistaは512MB(1GB以上を推奨)、Windows XP、2000は128MB(256MB以上を推奨)
- CDもしくはDVDドライブ
- ハードディスク空き容量:インストールのために40MB
- モニタ:VGA(SVGA以上を推奨)
- オンラインアップデートを行うには、インターネット接続環境
特に、レベルの高い要求はない。PerfectDiskは、ダウンロード版とパッケージ版があるので必要に応じて選択をしていただきたい。また、SOHO向けに2ライセンス・5ライセンスも用意されている。
/ | パッケージ版 | ダウンロード版 |
---|---|---|
シングルライセンス | 6,195円 | 4,725円 |
2ライセンスパック | 9,870円 | 7,560円 |
5ライセンスパック | 22,050円 | 16,800円 |