フラグメンテーションを解消するには?

さて、図4のようにフラグメンテーションが進行すると、どのような弊害が発生するのであろうか?

  • ハードディスクのI/O回数の増加
  • ハードディスクの論理的障害の原因

が、考えられる。図2のように連続した状態であれば、ハードディスクからの読み出しは、1回のI/Oで読み出しが可能である。しかし、図4のようにフラグメンテーションが進んでしまうと、5回のI/Oが必要になる。つまりこれが、冒頭で触れたように「PCが遅くなった」と感じる原因の1つになるのである。さらに、I/Oが増加するということは、ハードディスクにも負担をかける。端的にいえば、ハードディスクの寿命を減らすことになる。

論理的障害の原因であるが、連続した状態であれば、次のクラスタは連続しているのでわかりやすい。ところがフラグメンテーションが進行すると、次のクラスタがわからなくなってしまう障害(ロストチェーンと呼ばれる)が起こりやすくなる。

ならば、最初から連続したクラスタにのみ、ファイルを書き込むようにすればよいのでは?と思うかもしれない。Windowsもファイル作成時には、なるべく連続して配置するように、連続した空き領域を探して使用する。そして、連続した空き領域が確保できなくなると、分割して保存するようになる。その後は、削除、作成の繰り返しでどんどん断片化していくことになる。フラグメンテーション自体は、異常でも故障でもない。あらかじめOSに組み込まれたハードディスクを効率的に使うための技術といってもよい。

しかし、フラグメンテーションの進行は避けたほうがよいというのも事実である。そこで、Windowsでは、[マイコンピュータ]→[ローカルディスク]→[プロパティ]→[ツール]から[ディスクの最適化]というツールを使用することで、フラグメンテーションを解消することができる。フラグメンテーションを解消することを「デフラグ」と呼ぶ。

[ディスクの最適化]を利用したことがある方ならば、想像がつくと思うが、これは大変時間がかかる。しかも、その間は、ほとんどPCは使い物にならないといってもよいだろう。しかも、フラグメンテーションは、PCを使用すればするだけ、進行していくものだ。定期的な[ディスクの最適化]を行う必要がある。ややめんどうな作業である。

そこで、本稿で紹介するのは、ネットジャパンから販売されている「PowerX PerfectDisk 2008 Pro」(以下、PerfcetDiskと表記)である。Windowsに標準搭載されている[ディスクの最適化]にはない便利な機能を搭載している。

図5 PowerX PerfectDisk 2008 Proパッケージ版