全国版サイトでの削除依頼は簡単

安川氏の講義の後は、全国webカウンセリング協議会の講師二人による、携帯電話を使っての実技練習に入った。

携帯電話を使っての削除依頼の実技を熱心に行う参加者

まず、用意されたQRコードを読み込んで、全国版学校サイトにアクセス。トップページから小学生、中学生、高校生のいずれかを選択し、削除する必要性のあるサイト、またはスレッドを見つける。さらに削除対象のページを開いて、URLをコピーし、実際に削除依頼を行う直前までのプロセスを実際に体験した。

さらに、なりすましメールの送り方も学習。なりすましメールを送ることができる携帯サイトにアクセスして、なりすましメールを送ることができることを学んだ。

25人の参加者は、年輩の世代から若い世代まで広い世代にわたり、8割は現役の教師だったが、それ以外の参加者もいた。携帯操作に慣れない人も、講師のアドバイスを聞きながら真剣に携帯に向かっていた。

埼玉県の小学校から講座に参加した50代の女性教師は、「以前学校でネット上の中傷を巡るトラブルがあったため参加したが、現実がこれほどのものとは思わなかった。これほどまでの危険性を知らなかったことを反省している。学校に戻ったら、ぜひ同僚や保護者に講座で学んだことを報告したい」と話していた。

携帯でのネットいじめ無料相談室「みらい」活用を

今回計4回開かれた講習会は、インターネットや携帯電話の操作などに疎い人が対象だったが、安川氏が多忙のため、「次回の開催は未定」という。遠隔地に住む人や携帯の操作方法に詳しい人、今回参加できなかった人については、講習会で使われるのと同じテキストで自習することができる。

講習会やテキストでの学習後にネットいじめへの対処法を問う課題に合格すれば、「ネットいじめ対応アドバイザー資格認定」が得られる。「ネット上の嫌がらせの方法は日ごとに変化する」(安川氏)ため、資格認定者には最新情報を常に提供し、1年後に課題を再度提出すれば、資格が更新される。

テキスト代は3,000円で、資格認定を受けたい場合は、受験料5,000円、認定料2,000円がかかる。

また今回の講習会の終わりには、携帯電話用に用意しているネットいじめ無料相談室「みらい」についての説明もあった。同サイトのアドレスは、 http://www.web-mind.jp/mirai となっており、「1対1でさまざまな悩みや不安を相談できるので、ちょっと気になることなどでも何でも相談してほしい」(安川氏)と話している。