ソフトバンクモバイルのフルスペックマシン「FULLFACE 2 921SH」(シャープ製)は、前モデル「FULLFACE 913SH」を操作面で大幅にバージョンアップさせたものになっている。
閉じると全画面になるデザイン
デザインは913SHを踏襲したスライド型の携帯電話で、閉じた状態だと液晶画面が全面に広がる仕様になっている。913SHとサイズを比較すると、913SHの約50×108×16.8mmに対し921SHは約50×112×15.9mmとほぼ同じだが、液晶のサイズが2.8インチ(240×400ドット)から3.2インチ(480×854ドット)と面積で1.3倍、ピクセル数で4.3倍にアップしている。16:9のワイド画面で高画質なワンセグ映像が楽しめる。
画面部分をスライドさせるとキーが登場。多くのスライド型携帯電話はカーソル移動や決定などのキーとダイヤルキーがスライドの各部分に分かれていて、操作するときにはダイヤル部と液晶部との段差を越えて指を行ったりきたりさせる必要がある。しかし921SHではカーソルキーなども本体下部に配置されるため、指の移動が少なくて済む。このような細かな設計面での配慮が、使い勝手のよさにつながっているのだ。
なぞる、振る、傾ける(1) - なぞる
921SHの使い勝手のよさを実現しているのが、その独特の操作方法だ。従来機の913SHでも、液晶画面の横にセンサーキーを備え、これをタッチすることで、ワンセグ/TVプレイヤー(録画番組の再生)/メディアプレイヤー/カメラの操作ができた。921SHでは、このセンサーキーがさらに進化。上下左右になぞって項目を選択して、タッチすることでさまざまな機能を呼び出したり操作したりできるのだ。メール/Y!/ショートカット/クリア/センターボタンなど、操作に必要なほとんどのキーをカバーしており、スライド部を開くことなくほとんどの操作ができるようになっている。
なお、センサーキーをON/OFFするための誤動作防止ボタンが右サイドについていており、その機能をOFFにできる。またセンサーキーが使用可能な状態でも、無操作のままあらかじめ設定した時間が経過するとOFF状態になる(閉じてカメラを使っている状態の時には自動的にOFFにならない)。センサーキーを使う必要があるときには、このボタンを押せば使えるようになる。
本体をスライドさせることなく大抵の操作ができるのは便利だが、その一方で今回のセンサーキーは慣れるまで多少戸惑う部分があるかもしれない。メインメニューを表示させ、センサーキーをなぞって機能を選択しようとすると、カーソルが行き過ぎてしまうことがあった。これはキーに突起などがなくフラットなため、画面だけを見ながらブラインドタッチしようとすると、どこを押しているかが分かりにくいからだ。いつの間にか、センサーキーから指がはみ出していることがあった。
センサーキーの四隅は、それぞれメールやクリアなどのキーになっているのだが、間違えずに押すためには練習が必要だと思う。通常の操作キーやダイヤルキーは、段差や突起が作ってあって、どのキーを触っているかが分かりやすくなっているが、デザイン優先で、美しさを表現している921SHにとっては難しい選択だったのだろう。