─ LuiはまずホームサーバPCとPCリモーターのセットで販売されるとのことですが、どんな人をターゲットとして売り出すのでしょうか?
栗山: “そろそろ買い換え検討派”の人に向けてですね。具体的には、アナログのテレビパソコンからデジタルに代えようという人と、Windows XPからVistaマシンに買い換えようという人です。ちょうどWindows Vista SP1がリリースされたので、これまで様子見していた人が新OSに移行するという動きもあるかと思っています。
─ 購入層で中心となるのは複数のPCを使う個人ユーザーでしょうか? それとも家族で使うユーザーですか?
栗山: 全体のソリューションとして想定しているのは、家族で使うカタチですね。ホームサーバPCは、デジタル放送の2録画2配信の4ストリーム処理を実現する「マルチレコードキャスト」技術を搭載しています。リビングのホームサーバPCで地デジ番組を同時に2番組録画しながら、書斎のDLNA対応PCでとりためていた映画を見たり、子供部屋にあるDLNA対応TVで録画しておいたアニメを見たりといった使い方ができるのです。
ただ、ここまでなら、よくあるテレビパソコンの進化系です。従来のものだと、家族の誰かがサーバでテレビを観ているときはPCとして使えませんが、Luiの場合はPCリモーター経由で難なく同時にPC操作できます。たとえば、先に挙げた状態でさらに、PCリモーターで関連するキーワードをネット検索するといったことも、普通にできるようになるわけです。
─ ただ、それは相当高負荷な使い方になりますね
栗山: 通常のPCならシステムネックになる部分が出てしまうでしょう。しかし、LuiはレコーダーとPC部分のHDDが完全に独立しており、LANでつながる仕組みになっています。同じハコにPCとAX300のデジタル放送対応版が入っているようなものですね。たとえば家族が2配信を別の部屋で観ていたとしても、CPUの負荷は30%程度に留まります。ですから、PCとしても常に快適に使え、1台2役3役というのが現実的なパフォーマンスで実行できるわけです。
─ なるほど。ちなみに、著作権保護のかかったコンテンツもオンデマンドで視聴できますか
栗山: デジタル放送に関していえば、DTCPIPというプロトコルに対応しているので、LAN内でDLNA対応機器を使って視聴するなら大丈夫です。ただ、宅外からアクセスする場合は、VPN(Virtual Private Network)を使うことになるので、DVDビデオやBDビデオ、デジタル放送の視聴はできません。
─ 自分で作ったDVDビデオ等もネット経由では難しいですか?
栗山: できないですね。ネット上にデータを送る際、データの保存先を検出するのですが、光学メディア上のものはブロックする仕様になっています。著作権保護のかかっていないコンテンツなら、HDD内に保存すれば宅外でも視聴できます。
─ そのHDD部ですが、レコーダー部分を外付けHDDなどで増設することは可能でしょうか
栗山: 現状ではできません。暗号化の鍵管理の問題が残っていますので、そこの部分は将来の構想の中の1つですね。ちなみに、PC部分のHDDは増設可能です。