ffdshow+Media Player Classicで動画データを再生してみる

前節で、Hale Media Splitterを利用するこで、Windows Media Playerで未対応のコンテナを表示させる方法を解説しました。しかし、別途、コーデックは必要になります。ここでは、フリーソフトなどを使って最小限の作業で、より多くの種類の動画データを再生する方法を解説します。

ffdshow

動画の再生にはコーデックをインストールする必要があります。しかし、個々のコーデックごとにインストールを行うのはやや面倒です。H.264のように、デコード用のコーデックが提供されていないこともあります。そんな要求から、代表的なコーデックをひとまとめにした便利なツールがあります。一般的にはコーデックパックと呼ばれるものです。ここで紹介するffdshowは、コーデックパックとして有名なものです。収録されているコーデックの種類も多く、たいていの動画データならば、対応可能です。ffdshowはDirectShowフィルタと呼ばれます。コーデックと同じような働きをしますが、今後、動画の再生に関しては、DirectShowフィルタ形式が使われることが多くなると予想されます。DirectShowによる動画再生の流れは以下のようになります。

動画ファイル
    ↓
ソースフィルタ
    ↓
スプリッタフィルタ
    ↓
デコンプレッサフィルタ
    ↓
レンダリングフィルタ
    ↓
DirectDraw、DirectSoundを経由して再生

このように各種のフィルタを経由して、動画が再生されていきます。このフィルタを提供するのがffdshowです。まずは、海外のフリーソフトなどを扱うcowscorpion.comの中のffdshowのダウンロードサイトにアクセスしてダウンロードします。ffdshowは開発が活発に行われています。日々新しいバージョンがリリースされるので、注意してください。ファイル名の一部に日付が加えられています。この日付が新しいものほど最新です。

一方で、安定版も提供されていますので、動作に不具合があった場合は、安定版を使ってもよいでしょう。ここではffdshow_rev1920_20080328_clsid.exeをダウンロードしました。ダブルクリックで、インストールが始まります。まず言語を選択します。すでに日本語が表示されていますが「Japanese」を選択します(図2-4)。

図2-4 言語の選択

次にインストールの注意事項などが表示されます。不要なアプリケーションは終了させておきます。次に[使用許諾契約書の同意]ダイアログが表示されます。適切に対応して[次へ]をクリックします。[インストール先の指定]ダイアログが表示されます。デフォルトのままで問題ないですが、変更する必要がある場合は適切に変更します。次に、コンポーネントの選択画面になります。基本的にはデフォルトで問題ありません。エンコーダとしても利用する場合などは、AvisynthやVitulaDubにチェックを入れます(図2-5)。

図2-5 コンポーネントの選択

次に[プログラムグループの指定]ダイアログが表示されます。このままでよいでしょう。[追加タスクの選択]ダイアログが表示されます(図2-6)。

図2-6 追加タスクの選択

これまでに、コーデックをインストールしていないのであれば、デフォルトで問題ありません。DivXやXvidのコーデックをすでにインストールしているならチェックを外します。インストール後、コーデック動作を指定できますが、不要なものはインストールしないようにします。H.264には、忘れずチェックをしておきましょう。[次へ]をクリックして進みます。

次に[互換性問題の管理(ビデオ)]ダイアログが表示されます。デフォルトで多くのプレーヤーに対し、ffdshowが利用できるようになっています。ここでは「以下のアプリケーションでのみffdshowを使用する。」にチェックを入れます。

図2-7 互換性問題の管理(ビデオ)

同様に[互換性問題の管理(オーディオ)]ダイアログが表示されます。ビデオ同様、デフォルトで次へ進みます。次に[スピーカーの設定]ダイアログが表示されますが、PCのスピーカーに合わせ、次へ進みます。図2-5でコンポーネントを選択した場合、コンポーネントのインストール先を指定するダイアログが表示されますが、そのまま進みます。[インストールの準備完了]、[ffdshowセットアップウィザードの完了]と進み、インストールが完了します。