大容量化するHDD、高速化するCPUとPCで動画を扱うことは、ごく一般的になりつつあります。一方で、2011年には地上波のデジタル移行が進められています。PCでテレビ放送を録画している人も多いでしょう。YouTubeなどの動画配信サイトの普及もあり、動画をPCなどで楽しむ機会はより増えてきています。また、ビデオカメラで撮影した動画をPCで編集することもあります。
ところが、動画再生をしようとして、再生できなかったり、ファイルサイズの巨大さから扱いに苦慮したりという方も少なくないと思います。動画データと一言でいっても、非常に多くの規格が存在します。しかし、それらを汎用的に扱う方法が、限られているのも現状であるかと思います。本稿では、動画についてその仕組みから解説していきたいと思います。
最新の動画データでは、H.264という仕様で動画データが作成されています。この仕様は、もともと携帯端末で動画を再生すること目的に開発されたものです。ビデオカメラでも、この仕様に従った形式で動画を録画することが一般的になりつつあります。次世代DVDである、Blu-rayやHD DVDなどの基盤に使われている映像技術もH.264の一部であったりします。
このH.264の動画を自由自在に扱うことができるようになれば、まさにデジタルライフハックの達成といえるでしょう。本稿では、基本的にフリーのソフトウェアを中心にその手順を紹介します。フリーのソフトウェアは、その設定や使用方法が、やや面倒な部分もあります。しかし、出費をすることなく基本的な概念を掴むためにも、まずはチャレンジしたい方法です。一方、多様な動画データに確実に対応可能とまではいかないのも事実です。そのような場合は、市販のソフトウェアを利用することになります。市販のソフトウェアは、操作性や機能性において優れた部分があります。ニーズにあわせ、最適な選択をしてください。
本稿では、一般的な動画のエンコーディング(MPEG 2からH.264の動画の作成)といったことは解説しません。しかし、「動画の変換」で紹介するXviD4PSPを利用することで、かなりのことができるようになります。もし、動画の作成を目的とするなら、XviD4PSPの利用も有力な方法の一つです。 本稿の執筆にあたり、以下の環境を使用しました。
- CPU Intel Core 2 Duo E6600(2.4Ghz)
- メモリ DDR2 PC2 6400 2GB
- HDD Sirial ATA接続:80GB(起動用)、500GB(データ作業用)
- マザーボード ASUSTek P5B-VM
- OS Windows XP SP2
- Video nVIDIA GeForce 6800
動画の再生・変換については、相応のCPUパワーが求められます。シングルコアのCPUならば3GHz、デュアルコアのCPUならば2GHz以上のCPUを推奨します。同時にグラフィック性能も一定以上が必要になります(DiorectX 9を完全サポート)。2007年初頭に発売されたWindows Vistaなどが快適に動作する環境が望ましいといえます。
本稿においては、正確な記述につとめましたが、著者および毎日コミュニケーションズは、本書の内容を保証するものではなく、内容に関するいかなる結果についても責任を負いません。あらかじめご了承ください。