手ブレ補正は脇役であるべき

タムロンの28-300mm VCをしばらく使ってみたが、"これはスゴイ"と驚くようなことはあまりなかった。その代わり、どんなシーンでも無難に撮影してくれるという感じが強かった。本来、手ブレ補正も縁の下の力持ち的機構なのであって、手ブレしそうなときにそっとフォローしてくれば十分なのだ。

マニアの間には高倍率ズームを軽んじる傾向もある。確かに、画質など詳細に見ていけば、低倍率ズームレンズや単焦点レンズのほうが有利な面はあるだろう。しかし写真でもっとも重要なのは、そのシーンに立ち会い、シャッターを押せるかどうか。被写体に近寄れなくて十分な大きさで撮れなかったり、レンズ交換に戸惑ってシャッターチャンスを逃すようなことがあったら、いくら高性能なレンズを持っていても、まるで意味はない。気軽に使えて、どんなシーンでもフォローできる高倍率ズームは、ある意味で究極のレンズなのだ。

満開の梅。背景の暗い木とのコントラストがいい
Kiss X2 + 28-300mm VC / Large+Fine(JPEG) / 65mm(104mm相当) / 絞り優先AE、補正+0.3EV(F8、1/200秒) / ISO 200 / WB:オート / PS:スタンダード

28-300mm VCは高倍率ズームながら最短撮影距離は短い
Kiss X2 + 28-300mm VC / Large+Fine(JPEG) / 300mm(480mm相当) / 絞り優先AE(F6.3、1/320秒) / ISO 800 / WB:オート / PS:スタンダード

速いシャッター速度で水の動きを止めた
Kiss X2 + 28-300mm VC / Middle+Fine(JPEG) / 300mm(480mm相当) / シャッター速度優先AE(F7.1、1/2000秒) / ISO 640 / WB:オート / PS:スタンダード

シュロの葉
Kiss X2 + 28-300mm VC / Large+Fine(JPEG) / 300mm(480mm相当) / 絞り優先AE(F16、1/50秒) / ISO 800 / WB:オート / PS:スタンダード

居眠りする河馬。驚くほどリアリティの高い描写
Kiss X2 + 28-300mm VC / Large+Fine(JPEG) / 218mm(349mm相当) / 絞り優先AE(F8、1/250秒) / ISO 250 / WB:オート / PS:スタンダード

この鳥は金網には入っていなかった
Kiss X2 + 28-300mm VC / Large+Fine(JPEG) / 218mm(349mm相当) / 絞り優先AE、補正-0.3EV(F5.6、1/1000秒) / ISO 200 / WB:オート / PS:スタンダード

ガラス越しにライオンを撮影。ハレーションのように見えるのはガラスのせい
Kiss X2+28-300mm VC / Large+Fine(JPEG) / 129mm(206mm相当) / 絞り優先AE、補正-0.3EV(F8、1/160秒) / ISO 200 / WB:オート / PS:スタンダード

ゴリラ。雰囲気がいいので採用
Kiss X2+28-300mm VC / Large+Fine(JPEG) / 65mm(104mm相当) / 絞り優先AE、補正-0.3EV(F4.5、1/400秒) / ISO 200 / WB:オート / PS:スタンダード

絞りの形もとてもきれい
Kiss X2+28-300mm VC / Large+Fine(JPEG) / 249mm(398mm相当) / 絞り優先AE、補正+0.7EV(F5.6、1/250秒) / ISO 640 / WB:オート / PS:スタンダード

ペリカンがなんだかオブジェのよう
Kiss X2+28-300mm VC / Large+Fine(JPEG) / 154mm(246mm相当) / 絞り優先AE、補正+1EV(F9、1/200秒) / ISO 500 / WB:オート / PS:スタンダード

作例撮影: 加藤真貴子 (WINDY Co.)
レポート: 西尾 淳 (WINDY Co.)