大きな志のもとに開発されてきたOLPCではあるが、今までも、そしてこれからも、その道程は決して楽なものではないようだ。

教育の分野は、コンピュータの世界にとって非常に重要なマーケットである。学生時代に使い慣れたオペレーションシステムを、卒業してからも使い続けることはよくあることだ。そういった意味で世界中の子供たちを対象としたOLPCは、既存のPCメーカーにとっては大きな脅威となる可能性を否定できない。事実、Intelは途上国の子供たち向けに低価格なノートPC「Classmate PC」を開発販売し、OLPCプロジェクトと真っ向から勝負している。現在のところClassmate PCはビジネスとしては、一歩リードしているようだ。

一見、IntelのClassmate PCは低価格で世界中で普及しているWindowsが使用できるという理由から、わざわざ特殊なXOを購入する意味はないように感じるかもしれない。しかし、実際にXOを使ってみると、従来のPCとはまったく異なる雰囲気を感じとれるだろう。

XOは、世界中の子供達にコンピュータに触れるチャンスを与え、それを使って創造できるようにする、教育プログラムそのものが形になったものである。

まさにNicholas Negroponte教授が言うように、「It's not a laptop project. It's an education project.」(ラップトッププロジェクトではない、教育プロジェクトだ)といえる。

XOを使っていると、開発に関わった人達の子供たちに対する熱い思いを感じとれる。