最新の790i環境でテスト
今回は9800 GX2と比較するために用意したのは「HD 3870 X2」。両陣営の頂上対決の勝敗のゆくえが見どころだ。さらにASUSTeK「EN8800GTS TOP/G/HTDP/512M」も用意した。通常の8800 GTS 512からコア700MHz、メモリ2GHにオーバークロックしてあり、9800 GX2の動作クロックに非常に近いためだ。単騎のGPUに対しどこまで差をつけられるかもチェックしてみたい。
それではベンチを始める前に、今回の実験環境の説明をしよう。実験環境は以下の表の通りだ。
テスト環境CPU | Core 2 Duo E6850 |
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マザーボード | nForce 790i Ultra SLI |
メモリ | Crucial Ballistix DDR3 1GBx2(DDR3-1333動作) |
HDD | Seagate ST3500630AS |
OS | Windows Vista Ultimate 32bit版 |
ドライバ | ForceWare 174.53/169.25 Catalyst 8.3 |
今回はいつものX38マザーではなく、9800 GX2と同時にリリースされた「nForce 790i Ultra SLI」チップセット搭載マザーで試せることになった(初物を初物マザーでテストするなんざ、地雷原を徒歩で踏破するようなものなのだが……)。
この790iとは、先日登場した780i SLIの上位版に位置づけられるチップセットだ。790iではメモリコントローラがDDR3 1600に対応したことと、SPP(ノースブリッジ)内のPCI Expressコントローラが2.0仕様になり、従来のようにnForce 200を経由せずにネイティブで3-Way SLIに対応したことで、一見マイナーチェンジのようで完全な新チップセットになっている。ユーザー的にはDDR3を使うか否かで790iを選ぶか780iを選ぶか変わってくるだろうが、9800 GX2のような気合いの入ったグラフィックスカードを使うなら、やはりDDR3で最高速を狙える790iがベストマッチ、というところだろうか。
今回テストに使ったXFX製「XFX nForce 790i 3-Way SLI(MB-N790-ISH9)」。一見したところ同社の780iマザーと大差ないが、メモリスロットがDDR3専用になっている。また、3本のx16スロットがあることからも分かる通り、3-Way SLIにも対応している |
マザーには3-Way SLI用の2×3タイプのブリッジと、2-Way用のシンプルなブリッジが同梱されていた。9800 GX2のSLI動作の詳細はまだ明らかにされてないが、シンプルな方を使えばQuad SLIになるものと思われる |
またその他、今回は電源ユニットやケースも各メーカーの最新モデルをお借りして検証した。これらのパーツは全てNVIDIAの提唱する「ESA」に対応しており、非対応品と較べ温度監視やファン回転数制御などがスマートに行えるという特徴を持っている。この「ESA」の使い心地や効能に関しては、近々に別記事の形でレポートをお届けしたい。
今回はハイエンドGPUのテストなのでケースも調達。NVIDIAのお墨付きを貰ったThemaltake製「VA8003BWS」だ。側面に25cmの巨大なファンが付いているため、強烈に発熱するGPUでも安心して利用できる |
最後にもう1つ、ケースと一緒に送られてきたThermaltake製水冷ユニット「BigWater 780e」も紹介しておこう。ケースから電源、水冷ユニットまで一括管理するというのがESAのコンセプトだ。使い心地等は後日の記事を待たれたし |
最後に、当初ドライバは製品付属のもの(ForceWare 173.67)を使ってみたが性能が全く発揮されなかったため、執筆時の最新β(ForceWare 174.53)を使っている。