デジタルカメラの普及で、今までとは違った写真の楽しみ方が増えてきた。フィルムを現像しないと撮影結果の確認ができないアナログ時代のカメラとは違い、撮影したその場でイメージが確認できるだけでもイマジネーションが膨らむ。例えば、デザイナーのスケッチ感覚的な使い方はありではないかと思うので、その立場から、先日発売されたばかりのカシオのコンパクトデジタルカメラ「EXILIM EX-S10」を使ってレポートしたい。
デジタルカメラの高画質化はコンパクトカメラにも波及しており、すでに当たり前となっている。撮影機能も手ブレ補正に高感度撮影、各種プログラム処理など、至れり尽くせりという状況に筆者としては少々飽きを感じ始めていた。そんなときに光学式3倍ズームを搭載しながら15mmという極薄ボディの「EX-S10」がカシオから登場した。しかも高画質で速写に優れていながら自分で微調整が簡単にできるベストショット機能を搭載しているという。実は、「カシオ」と「10」という単語を聞くと1994年に液晶モニタを搭載しながら画期的な低価格を実現してヒットとなったカシオの「QV-10」を思い出し、深い理由はないのだが、このカメラがちょっと気になっていた。ちなみに「EX-S10」は、世界最薄のカード型デジタルカメラとして2002年に登場した「EXILIM EX-S1」の流れを汲むモデルであり、QVシリーズとは異なったラインである。
「EX-S10」を初めて手にしたときに感じたのが、なんとなく頼りないイメージ。それは筆者がこれまで薄型のコンパクトデジタルカメラを使ったことがなかったからかもしれない。しかし、実際に使い込んでみるとカードサイズのボディは、筆者の手の大きさにピッタリで、片手で軽快に操作ができる。液晶も大きくて見やすく、余計な装飾がないデザインにも好感が持てた。これだけ小さいとポケットに入れて持ち歩くことができるので、街中を散歩しながら撮影を試みる。とても気軽に撮れるので、一眼レフとはまた違った感覚で使うことができて楽しい。
ご覧のようにほぼカードサイズで15mmという薄さ。しかし、1010万画素のCCDを搭載し、動画の撮影もできる。しかも35mmフィルム換算で36~108mmの3倍光学式ズームも備えており、基本スペックは十分だ |
それでは、デザインという仕事にこのカメラをさっそく活用してみよう。