ECUネットワークのタイミング解析ツール「SymTA/S」 - アドバンスド・データ・コントロールズ

組み込みシステム開発環境や車載関連ソリューションの設計や開発、販売、サポートなどを行うアドバンスド・データ・コントロールズ(ADaC)は、ECUネットワークのタイミング解析ツール「SymTA/S」のデモンストレーションを行った。

動画7(WMV形式)

最近の自動車は、ECU(Electronic Control Unit)という複数の電子制御ユニットが連動することによって、エンジン制御はもとより、エアバッグ、ABS(Antilock Brake System)、トラクションコントロールなどを動作させている。各ECUが遅延することなく正しく動作することを検証することは、人命に関わるシステムにおいてとくに重要である。しかし、ECUの応答やバスの遅延、実装されているOSの応答など、検討べき組み合わせは膨大であり、システムの検証は、エンジニアの能力と多くの実験にたよる部分が多く、必要十分なシステム設計は難しい。

ADaCが展示したシミュレーションツール「SymTA/S」は、ECUシステムやバスなどのタイミング解析および検証を行うことができる。このツールは独Symtavisionが開発したツールで、欧州ではECU開発メーカなどで既に採用された実績があるという。

SymTA/Sは、GUI上に表示されたECUなどの各モジュールの動作周波数などスペックを入力し、グラフィカルにタイミング解析を行うことができる。これによりシステムのWCRT(Worst Case Response Time : 最長応答時間)などを知ることが可能で、想定しているシステム構成で必要十分な性能を保障できるか検証することができる。より正確なシステムの検証が可能になることで、予定よりスペックの低いCPUでも十分に応答性を保証できることが分かれば、そのぶんコストダウンすることも可能になるという。