前編、中編に引き続き、Intel Core 2 Extreme QX9770とIntel X48チップセットについての検証である。前回の中編では、3GHzのIntel Core 2 Extreme QX9650を使ったDDR2とDDR3の検証を行ったが、後編となる今回は、3.2GHzにオーバークロックしたQX9650とQX9770によるDDR2/DDR3の比較、そしてCrossFire環境についてチェックしてみることにする。
それではまず、QX9650の3.2GHzオーバークロック駆動とQX9770を使ったDDR2 vs DDR3の比較を行ってみよう。なお、テスト環境については前回と同様で、グラフ中の表記は下の通りとなる。
QX9650(3.2GHz) + Maximus Formula(X38)→「DDR2」
QX9770 + DX48BT2(X48)→「DDR3」
Sandra XII
グラフ37がArithmetic、グラフ38がMulti-Mediaである。流石にALUやSSEを使う限りにおいては全く差は見られないが、相変わらず.NETにおけるDhrystoneのスコアに大差が付いており、その一方でMulti-Mediaでは.NETでも差が無いあたりが面白い。
Latency(グラフ39、40)については、これはもう間違いなくMaximus Formulaの圧勝である。1600MHz FSBにDDR2-800だからレイテンシは最小になるわけで、対するDX48BT2は1600MHz FSBに1066MHz MSBで3:2という変則的な比率な上に、CL9相当での動作となっている。PC3-1066 CL9といえばCAS Latencyが9.5nsあたりになり、5nsのDDR2-800とは比較にならない。グラフ40で16MB以上のLatencyの差が、大体このCAS Latencyの差に近い事からもこれが推察できる。
Bandwidth(グラフ41)そのものは、先ほどのグラフ5の様なカーブの違いもない。それでもやはり128KB付近までMaximus Formulaの方が良いスコアになっている。また16MB以上でも明らかにMaximus Formulaの帯域が高くなっているが、これはレイテンシの差と無縁ではないだろう。ただCore Efficiency(グラフ42)に関しては、帯域はともかくLatencyは同程度で、プロセッサに妙な割り込みが入ったりはしていないようだ。帯域の差はグラフ43でも判るとおり、微妙な性能差が積もった結果と言えるだろう。