PCMark05 v1.2.0


これがPCMark05ではどんな結果になるか、というとグラフ8の様にDDR2の方が「全てのテストが微妙に良い」という結果になる。ただ、その内訳を見ると話はちょっとややこしい。まずPCMark Detail(グラフ9)で言うと、Transparent WindowsとGraphics Memoryのスコアが突出して良く、これが数字を伸ばした事は明白である。ところが、Memoryアクセス性能そのものは? というと、グラフ10の様にものすごく良いとは言えない。Writeのスコアこそ上回っているものの、Read/CopyはDX38BTの方がむしろ良い程度だ。Latency(グラフ11)にしても、確かに微妙にスコアは良いものの、グラフ9の結果に繋がるほどの差は無い。

これが一転するのはGraphics Detail(グラフ12)である。WMV Video Playback以下は殆ど差がない(これは同じグラフィックスカードを同じドライバ環境で使っているから当然と言える)のだが、Tranparerent Windows/Graphics Memoryの結果が大きく異なる。つまりMain Memoryそのものではなく、PCI Express x16レーンの先のグラフィックメモリの扱いに大きな差があることになる。これらのテストの場合、GDIからの描画リクエストとなるから、Main MemoryとGraphics Memoryの間の転送がメインになるわけだが、ここがMaximus Formulaの方が良いスコアを出しているわけで、Main MemoryとPCI Expressとの間の転送はDDR2-800の方が効率が良い、ということになりそうだ。

こうした傾向はHDD Detail(グラフ13)でも言える。大きな差があるのはVirus Scanであるが、全般的に少しずつMaximus Formulaの方が良いスコアになっている。もっともこれに関しては、ICH周りのチューニングの差の可能性も捨てきれないが。

PCMark Vantage v1.0

PCMark Vantageの結果(グラフ14)も、PCMark05にかなり近いものがある。大きく差が出ているのはProductivityだが、その他のテストもそれなりに差があるのが判る。 グラフ15を見ると、特にProductivity 2やCommunication 2が突出している。Productivity 2ではHDD - application loadingでほぼ性能が倍(11.525MB/s vs 6.944MB/s)になっているとか、Communications 2ではHDD - Windows Defenderの結果が11.125MB/sec vs 8.222MB/secとこれまた4割近く違うあたりが性能の違いに繋がったようだ。 以下、各テストをもう少し仔細に見てみた。Memory Detail(グラフ16)ではTest2のうち"HDD - video editing using Windows Movie Maker"のスコアが良く、これが全体を引き上げてる感じで、その他のテストはむしろDX38BTの方が良い結果になっている。

TV and Movies(グラフ17)もTest 3は"HDD - Windows Media Center"となっており、やはりHDD性能がキーである。ただTest 4は"Video transcoding - VC-1 to WMV9"と"Video playback - MPEG-2 Blu-ray"のDual Taskである。構成的にはTest 1/2と同じだが、負荷が異なる(Test 1/2はVC-1 to VC-1のtranscode)あたりが良い結果に繋がったのかもしれない。

Gaming(グラフ18)でも、やはりHDDアクセスの入るTest 2/4で良いスコアを出しており、逆に"CPU gaming"と"Data decompresssion"の組み合わせのTest 3ではスコアが下がっているあたりが特徴的だ。

Music(グラフ19)も、スコアの良いTest 1/4はやはりHDD絡みとなる。Test 1は"Audio transcoding - WAV to WMA lossless"が、Test 4は"HDD - adding music to Windows Media Player"がそれぞれ他のタスクと同時に動いており、このスコアが明確に違っている。

Communication(グラフ20)はこれを端的に示している。Test 3は"Windows Mail - searching"で、言うまでも無くHDDをひたすらアクセスしてのメール検索だから、これが突出するのはある意味理に適っている。

Productivity(グラフ21)も、スコアの良いTest 1~3は何れもHDDのアクセスが関係する。Test 1は"HDD - application loading"、Test 2は"HDD - Windows Defender"が並行して動作しており、Test 3は"HDD - Windows Vista startup"のみだから、これは数字が良くなって当然である。

ではそのHDDは? という結果がグラフ22であるが、Test 1/4/8が突出している。それぞれ"HDD - Windows Defender"、"HDD - Windows Vista startup"、"HDD - application loading"となっており、これらの数値が良い事が全体の底上げにつながった、と考えるのが正しいだろう。つまり、DDR2かDDR3かという話ではなく、マザーボードのチューニングの程度の差ではないかと想像される。