Crysis迎撃のためのグラフィックボードを選ぶなら

さすがにここまで描き込まれると、半端なGPUパワーでは太刀打ちできない、というのが現実だ。そこでGPUをいくつか用意し、実際にどれくらいのパフォーマンスが出るのかをチェックしてみた。検証機の構成は以下の通り。画質設定はVery HighからMediumまでの3つをテストした(Lowの画質はあまりに低いので、筆者的に論外と判断した)。また、FSAAも予備実験の結果、プレイで使うには重すぎると判断したため適用していない。

CPU Core 2 Duo E6850 (3GHz)
Motherboard XFX MB-N680-ILT9 (nForce 680i LT SLI)
Memory Corsair TWIN2X2048-8500C5 (1GB×2)、DDR2 1066で動作
HDD Seagate Barracuda 7200.10 500GB SATA (ST3500630AS)
OS Windows Vista Ultimate 日本語版
Graphics Driver ForceWare 169.04

今回、グラフィックスカードはNVIDIAのGeForce 8800 GTX/8800 GT/8600 GTSの3種類を用意したが、ハイエンドの8800 GTXをもってしても、フルHD&最高画質でのプレイはかなり厳しい。もちろんプレイできないというわけではないが、銃撃戦の際に細かい照準操作ができず、あっという間にスーツのエネルギーとヘルスが削られてしまうのだ。8600 GTSクラスになると画質がMediumで解像度がSXGAといった環境でようやくプレイできる感じだ。FPSゲームの場合、満足のいくプレイをするためには、最低でも30fpsはほしいところ。結果には多いに不満の残るところであるが、シングルGPUで攻めるなら、GeForce 8800 GTが最低ラインとなるだろう。

『Crysis Single Player Demo』に含まれている「Benchmark-GPU」を使って検証。ミドルレンジクラスのGPUには少々荷が重い感じだ……

もちろん、解像度を下げれば、ミドルレンジクラスでもそれなりに遊ぶことはできる。純粋にゲームを楽しむということは可能だ。しかし、PCでしか遊べないタイトルなのに、何が悲しくてSXGA程度で満足せねばならんのだ! Crysisのような気合いの入ったタイトルは、可能な限り高解像度&高画質設定で遊ぶというのが作者に対する礼儀というものではなかろうか?

CrysisならSLIで楽しみたいが……

ここまでのテストでわかったことは、Crysisの全てを味わい尽くすには、今のところシングルGPUでは力不足ということだ。つまり、NVIDIA製GPUを使うならSLI環境が必須、ということになる。しかし、デモ版をプレイした結果、現段階では最新ドライバを使用してもSLIのメリットはあまり見出せなかった。製品版でこのあたりが改善されているかも含め、今後も引き続き、検証作業を続けていきたいと思う。

CPU Pentium 4 2.80GHz(Vistaでは3.20GHz)以上
Memory 1GB以上(Vistaは1.5GB以上)
HDD 12GB以上の空き容量
Graphics Card VRAM256MB以上
ちなみに、これが『Crysis』の必須動作環境。推奨動作環境になると、CPUはCore 2 Duoの2.20GHz以上かAthlon 64 X2 4400+以上、グラフィックスカードはNVIDIA GeForce 8800 GTS(640MB)、もしくはその同等以上となっている……


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