パッケージでも特に目立たせているマウスの形状には驚く人も多いだろう。ほとんど半球とも言える独特の形である。説明書によると"親指を上、小指を下にするように右手を立ててマウスの右側に置き、そのまま手の平を倒してマウスを包む"ように持つ。単三乾電池を2つも内蔵するだけにマウスは重くなる。だからガッシリと支えて使用するわけだ。手の重さをすべてマウスにあずけられるので安定感があり、快適である。手の平の真ん中を押しつけると、何となくマッサージされているようで心地良くすらある。
ただし、操作にはコツがある。動かす時は親指をしっかり保持する。重くて大きいだけに、ついすべての指に力が入るが、そうなるとうっかりクリックボタンを押してしまう。手をあずけているとはいえ、保持する指は親指と薬指である。人差し指と中指は浮かせておかないと誤操作しやすい。正直に告白すると、筆者のマウスの使い方には合わず使いづらかった。
しかし、これはマウスに対する考え方の差だとも言える。背が低いマウスは指でつまむように持つため、細かい作業に適する。しかし疲れやすく長時間の作業には向かない。ハッキリ言うと、短時間で決着するシューティングゲームの操作方法である。CADやグラフィックを扱う人もこの傾向になるだろう。
しかし、背の高いマウスは精細な作業には向かないが、手が疲れにくいため長時間の作業に適する。事務職やボタンの大きな業務用アプリケーションを利用する人には背高マウスが適している。本機はまさにそういう用途を想定した設計だと言えるだろう。ドライバの初期設定でマウスカーソル移動量を大きくしている理由もその辺りだと思われる。
本機のユーザーはタッチタイプを常用するはずだから、おそらくマウスよりもショートカットキーを多用するだろう。マウスを使う時はちょっと手を休めるという感覚になるはずで、背高マウスの組み合わせは正しいと言える。
タッチタイピングユーザーだから使える上級者向き
「Microsoft Natural Ergonomic Desktop 7000」はタッチタイプを極めている人のための高級アイテムだ。ユーザーはある程度キー入力に長けており、正しいタッチタイプができる人に限定される。プロ仕様だと言っても良い。毎日、長時間に渡って文書入力や経理業務をこなす人、タッチタイプができる人に相応しい。また、従来のキーボードで腱鞘炎やそれに近い症状に見舞われた人は試す価値がある。タッチタイプを会得してこのキーボードとマウスを使ったら、疲労度の少なさを実感できることだろう。
筆者はタッチタイプが苦手なのだが、このキーボードを使いこなすためなら練習してみようかという気になった。