キーボードは承前の通り「Microsoft Natural Ergonomic Keyboard 4000」とまったく同じである。付属するドライバはWindows Vistaに対応しているが、新たにVista用のキーを追加するなどの変更はない。これは「4000」の設計思想が揺るぎないものであり、安定したユーザー層を獲得した結果ということだろう。
マイクロソフトはエルゴのミックタイプのキーボードをいくつかデザインしているが、本機は"ハの字配列"を強く打ち出し、左右のキーがもっとも広がった形状になっている。キー配列の中央にはズームボタンを配置し、完全に左手 / 右手のキーを分割した。これは、左手でシフトキーを押しながら、右の指を左側キーに"出張"させるような癖のある人は要注意だ。もし本機を購入するなら、タッチタイプを完全に矯正することをお勧めする。
そう、このキーボードは"完全にタッチタイプを習得した達人"向けの製品だ。それは大柄なわりに浅いキータッチで入力できること、そして「パーム リフト」という付属品からも理解できる。ほとんどのキーボードは背面の奥にスタンドがあり、奥を立てて手前に傾けて使用できる。もちろん本機にもスタンドは搭載されている。しかし「パームリフト」はその逆にキーボードを奥に傾ける。これはタッチタイプをマスターした人が、机を低く、あるいは椅子を高くした時に、腕をやや降ろした姿勢を作る。腕は楽だがモニターとキートップ間で視線を往復させづらい。つまり視線を画面に固定するための姿勢である。
機能ボタンにささやかな気配り
今年4月に発表された「Microsoft Wireless Laser Desktop 4000」は多くの機能ボタンが用意されていた。それに比べると本機の機能ボタンは控えめだ。ファンクションキーの奥に左側からブラウザ / 検索 / メールクライアント、プログラムを5つまで登録できるランチャー、音量のミュート / ボリューム / 再生・停止、電卓のボタンがある。左右のキー配列の中央にズームボタンがあり、画像の拡大 / 縮小表示に便利だ。その手前にはブラウザの進む / 戻るボタンがある。どれも便利なものばかりだ。
しかし、私がもっとも気に入ったキーはテンキーの奥に独立して置かれた[=]キー、[(]キー、[)]キー"、である。どれも電卓や数式の入力、項目立てなどで使用頻度の高いキーだが、一般的なキーボードでは常に[Shift]キーとの併用となり面倒だった。本機の配置はかなり便利で、おそらく研究者やプログラマー、経理事務職に従事する方などは、このキーがあるから「4000」を使ってきたのではないか。そうだとすれば、4000ユーザーにとって無線化された7000は魅力的なはずだ。