従来のターミナルサービスでは、クライアントからは接続されたターミナルサーバのデスクトップそのものが表示されるものだったが、Windows Server 2008から実装されるRemoteAppでは、ターミナルサーバ上で実行したアプリケーションが接続したクライアントPCの画面上にアプリケーション単位で起動する。つまり、クライアントのデスクトップ上にサーバ側で動作するアプリケーションが表示されるため、クライアントPCにアプリケーションが入っていなくてもあたかもクライアント側のデスクトップ上で実行しているように利用できる。また、プリンタなどのローカルデバイスが利用出来、リモートプログラムとローカルデスクトップ間でのCopy & Pasteが可能となる。

RemoteAppを利用することで、アプリケーションをクライアントにインストール手間が省け、バージョン管理やメンテナンスも容易になる。サーバー側の負荷も、ウィンドウ処理やGUIに関わる部分はクライアント側で処理できるので、その分、負荷は減るだろう。

図5 TS RemoteApp Manager

RemoteAppでアプリケーションは、管理者が作成した.rdpファイルを実行するか、Windowsインストーラパッケージ(MSIパッケージ)をグループポリシーで展開し、実行することで起動できる。これら.rdpファイル、msiファイルは、RemoteAppウィザードで容易に作成が可能である。