新技術で市場を先導するSamsung電子

Bluetooth製品のアピールに熱心だったのはSamsung電子だ。韓国ではまだ広く普及しているとは言えないBluetoothだが、それなら自分たちが流行を作っていこうという意気込みがSamsung電子の展示からは感じられた。とくに韓国市場においては普及率が高く、買い替え需要も活発なポータブル・マルチメディア・プレーヤーは、Bluetooth対応製品一色だった。

「YP-S5」は、スライド式で後方からスピーカーが飛び出してくる「スライディングスピーカー」が搭載されたユニークな端末だ。画面下の部分はメニュー操作などを行うタッチセンサーとなっており、軽く触れると矢印キーなどが光って浮き出てくる。Bluetooth対応で、ワイヤレスヘッドセットによる音楽鑑賞が可能だ。

YP-S5はスピーカーフォン機能もあり、会議などで利用できる実用性も特徴。メモリは2MB/4MB/8MB

3インチで画面サイズが16:9のワイドタッチスクリーンを採用した「YP-P2」。ポータブルスピーカーとBluetoothで連動して、音を出すこともできる。YP-P2のメモリも2MB/4MB/8MBの3タイプがある

また新製品の「デジタル額縁」も展示されていた。これはデジタル写真を自宅で鑑賞・展示するのに適した額縁で、写真だけでなくMP3音楽やMPEG-4などの動画の再生も可能となっている。写真は多様なパターンによるスライドショーでの表示が可能だ。

内蔵のフラッシュメモリには「写真40枚程度が収められる」とのこと。写真転送は、USBやメモリカード(SD/MMC/MS/CF TypeI)、Wi-Fi(IEEE 801.11b/g)で行える。USBでPCとつなげば、デュアルモニターとして利用することも可能だ。

17インチのデジタル額縁。価格は22万ウォン(約28,200円)

デジタル額縁のサイドには、電源やメニュー操作ボタン、カードスロットなどがついている。すべての操作はこれらのボタンで行う

デジタル額縁をデュアルモニターとして利用しているところ

新技術の開発力では韓国メーカーでも随一の同社だけに、これまで同社が開発した、さまざまな半導体の展示も行われていた。

SIMカードとNANDフラッシュを1つのカードにした「S-SIM」カード。最大容量は1GB

1.8インチと2.5インチのSSD

NANDフラッシュとコントローラーを1つのパッケージに収めたMobiNAND。最大容量は8GB

新しいサービスでブランド力を強化したいSony Korea、デザインでイメージアップをはかりたいLG電子、技術力で市場をリードしたいSamsung電子と、企業ごとの異なる思惑が韓国市場で激突していることが浮き彫りになる展示内容だった。

どこの展示にも、これまでになかったり、あまり普及していないサービスやデザイン、機能が見られたが、どういったものが韓国ユーザーの心をつかむのだろうか。今後の経過を見守りたい。