MegaTV for PLAYSTATION3も試してみました - 韓国電子展レポート

10月9日から13日まで、韓国の高陽市で電子製品の総合展示会「Korea Electronics Show 2007(韓国電子展)」が開催された。

Samsung電子やLG電子など、韓国の大手企業をはじめとした韓国内外の企業が終結し、自社の最新製品や技術力を披露する、韓国最大のIT系展示会の1つで、多くの訪問客つめかけ、熱心に見学する様子が見られた。

PS3でIPTVを体験

今回の展示会で特に注目を集めていたのが、Sony Koreaによる展示だ。同社は韓国でのブランド力強化のため、外資系としては最大級の広さのブースを用意。テレビやゲーム機、オーディオ機器など、自社製品を積極的にアピールしていた。韓国においては時に、Samsung電子とLG電子という2大ブランドに敗北を喫することもあるSonyではあるが、今回の大々的な展示に韓国メディアは「Sonyの逆襲が始まった」とこぞって報じていた。

Sony Koreaの展示の中でも、PlayStation 3(以下、PS3)でIPTVが見られる「MegaTV for PLAYSTATION3」サービスは、10月9日に発表されたばかりとあって注目度が高かった。これはSCE Koreaが通信会社のKTと手を組み、PS3をKTによるVOD型IPTVサービス「MegaTV」を見るためのセットトップボックスとして利用できるようにするサービスだ。11月から本サービスが開始される。

Sony Koreaの展示場には「MegaTV for PLAYSTATION3」セットが何台も設置されていた。実際にメニュー操作をしてみると、どのボタンがどの機能に対応するのか戸惑うなど、ある程度の慣れが必要な部分がいくつかあったものの、スティックを回したりボタンを押しながらゲームと同じ感覚で画面操作ができる点が大変楽に感じられた。

使い方は、PS3のメニューにある「MegaTV」アイコンを選択し、その後テレビドラマや映画、スポーツ映像などMegaTVで配信されている動画のジャンルを選ぶ。最後に特定の動画のタイトルを選んで見るという形だ。

プログラムを再生する前に、それがどういった内容かであるかの詳細情報をチェックしたり、プログラムに対して視聴者が付けた星5つによる評価を見たりすることができるので、プログラム選択の際の指針として役立てることができる。

動画の録画などはできないようになっているものの、現在見ている動画を巻き戻し/早送りしたり、一時停止したりなどの操作は可能。また今すぐにではなく、後でプログラムを見たいという時のために、プログラムの「予約」機能も用意されている。予約をすればそのプログラムリストが「マイボックス」という場所に保管されるので、実際に視聴する際にMegaTV内の番組の中から目当てのものを再度探し出すという事態を回避することができる。このマイボックスには「最近視聴した番組目録」や「(有料番組の)購入目録」もある。

MegaTVでは約1万個の番組を配信しており、MegaTV for PLAYSTATION3でも、これらの番組がそのまま閲覧できる。ただし、画面上からSMSメッセージが送信できる機能や、銀行口座を照会するといった機能については「現時点ではまだ未対応。今後開発次第、サービスする予定」(Sony Korea)だという。

利用料金は8,000ウォン(約1,000円/1円=0.1283ウォン)/月だ。会場にいた人に月8,000ウォンを支払ってこのサービスを利用したいかどうか聞いたところ、会社員という男性は「今は各放送局サイトで配信されている番組のVOD再放送をよく見ているが、いちいち放送局ごとのサイトにアクセスするのは面倒。8,000ウォン程度ならお金を払ってでも楽に見られるし、飽きたらゲームもできるから良いのでは」と答えていた。ただし高校生の女性は「とても便利で良いけど、月に3,000～5,000ウォンくらいなら見られると思います」と一言。経済力のない学生には、ややきつい価格かもしれない。

ゲーム機というより、家庭内のエンターテインメント機器を目指すPS3。MegaTV for PLAYSTATION3への反応も人それぞれだが、本サービスが開始されればマーケティングも本格化することが予想される。PS3の、11月からの韓国における動向が注目される。