KCP+に含まれるもう1つの新機能が「マルチプレイウィンドウ」。これは画面を上下に分割し、2つの異なるアプリケーションを同時に表示できる機能である。大きな特徴は、EZweb、メール、PCサイトビューアー、電話帳、EZナビゲーション/EZ助手席ナビといった一部例外を除いて、KCP+に含まれるアプリケーションのほとんどで同時表示が可能になっている点だ。
たとえば、PCサイトビューアーでサイトを見ながらその情報をメールに打ち込んだり、メールを見ながらスケジュールを作成したり、EZナビゲーションのルート案内をメールで待ち合わせ相手に送信したり、ワンセグを見ながらGoogle検索したり、などといった利用法が考えられる。
利用時には、画面の下半分のアプリケーションしか操作できないが、1ボタンでアプリケーションの上下を入れ替えられるほか、Windows OSのタスクバーのように、1ボタンでアプリケーションの一覧を表示し、[Alt]+[Tab]キーのようにアプリケーションを切り替えたり、マルチプレイウィンドウ表示にしたりできる。
基本的に、マルチプレイウィンドウにできるのはKCP+に含まれるアプリケーションがメインで、EZアプリ開発元が対応アプリを提供する、といったことはできないようだ。
ゲームがさらにパワーアップ
KCP+では、新チップセットとなるMSM7500が採用されるが、これにより3Dの描画性能が従来比で約10倍に高速化されたという。このため、特にEZアプリゲームではより滑らかな3D映像などが実現できるという。詳細は明らかにされなかったが、これにともなってゲームの容量も増加する模様で、より大規模なゲームも楽しむことができそうだ。KDDIの説明員によれば、MSM7500のベンチマークではソニーの携帯ゲーム機「PSP」に近いスペックだったという。
現時点では、先ごろ行われた東京ゲームショウ 2007でも展示されていた「バイオハザード」「ARMORED CORE MOBILE 4」「Power Smash EZ」が紹介されていた。
そのほか、KCP+には「Vivid UI」も追加されている。従来のau携帯電話では、メニュー画面などの一部のUIはメーカー側が自由に変更でき、「EZケータイアレンジ」としてUIのパッケージを配布することができたが、UIのカスタマイズ性をさらに強化し、メニュー画面のより深い階層までデザインできるようにしたほか、3D動画を背景に利用するといったことも可能になった。エミュレーターなどの開発キットをメーカーに提供、メーカーがより独自性の高いUIを開発できるようにした。
なお、このVivid UIに関してはEZケータイアレンジのようにサードパーティが作成して配布することは、現時点ではできないようになっている。このあたりは今後検討するそうだ。