EMP-TW2000は分かりやすいシンプルなリモコンが付属することから入門向けのようにも思われがちだが、その内容はかなりマニアックである。日常的にはシンプルリモコンで簡単操作、これで十分賄えるため不都合はないのだが、最初の設置ではスクリーンに合わせ込む画質調整にこだわりたい。
そんな目的にきっちり応えてくれるのがEMP-TW2000の「シアターブラック1」や「2」から入り込むマニアックな調整機能である。微調整可能なガンマ特性と6軸カラー調整機能を掛け合わせ、自分好みの画質に追い込めるという優れた内容と機能は、特筆されても良いだろう。今回のモデルでは、黒階調性が高まったこともあり、この画質追い込みは他で味わえない奥深さが備わっている。
なお、レンズシフト機能は上下左右を分けたダイヤルで行う方式を踏襲。上下96%、左右47%まで対応するため、ほとんどの部屋で不満が出ないだろう。レンズの投写距離も3.0mで100型を表示可能だ(最長6.3m)。
TH-AE2000は、「シネマ1」からの画質調整がお薦めである。もちろんデフォルトのシネマ1のままでも十分に映画画質を備えている。ただ使用しているスクリーンに合わせた画質にするには好みで調整するしかない。ここはダイナミックアイリスオンを生かしつつ、黒レベル、ピクチュアー、色の濃さ、さらにアドバンスドメニューでガンマ設定と追い込んで行く。
この調整を、分かりやすいリモコンのおかげで苦もなく設定できるのがTH-AE2000の特徴である。今回は2画面調整機能が備わったのでより分かりやすくなったのが好ましい。
ちなみに光の強さを生かしながら階調性を、明るい側、暗い側の両方で追い込むのが決め手で、これは何度もソフトの視聴を繰り返しながら行うしか手がない。実験を繰り返しながら行ってほしいと思う。
なお、レンズシフト機能はこれも上下左右を分けたダイヤルで行うが、上下100%、左右40%が調整カバー範囲である。投写距離は最短3m、最長6mとこれもカバー範囲が広い。
LP-Z2000の画質調整の手法は、Z5をベースとしてフルHD用に改良したもの。シアター本格派は「ピュアシネマ」から調整に入ることがお薦めだ。これを選択後、アドバンストモードに入り、ガンマ、RGBゲイン、RGBオフセット、さらにランプモード、ランプアイリス、カラーマネージメントなど好みで選択する。ほぼこれでスクリーンに合わせ込むことが可能で、これまた守備範囲が広いと言えるだろう。ただしガンマ調整は中間輝度部のみなので後一息のところへ追い込むにはもどかしさが少し残る。追い込みの方法は他の場合と同じで見なれたソフトで繰り返すこと。
なお、LP-Z2000の1つの特徴はリビングシアターへの対応が好ましくできていること。専用のリビングモードが備わっているが、クリエイティブシネマもこうした用途に向いており、豊富な画質モードを備えていることが取り柄となっている。また、調整用のGUI表示が更新されたのも使いやすさに結びついている。
なお、レンズシフト機能は上下左右にダイヤルが分かれた使いやすいもの。上下で最大3画面、左右で最大2画面分のシフトはクラス最高範囲をキープする。投写距離は最短3m、最長6.1mとカバー範囲が広い。