CommandCentral Storage 5.0

CommandCentral Storage 5.0は、エンド・ツー・エンドのストレージ可視化を実現し、ストレージ管理の中核機能を担う製品だ。VMwareによるゲストOSも含めたエンド・ツー・エンドでの可視化が実現できる。サーバの仮想化だけに留まらず、ストレージの仮想化にも対応している。具体的には、IBM SAN Volume Controllerや日立SANRISEによるストレージでの仮想化技術をサポートしている。

レプリケーション環境のサポートも重要な機能だ。容量管理の際には、レプリケーションのために確保される容量も把握しておかなくてはならないためだ。実際に広く利用されている技術に対応しており、具体的にはEMC(TimeFinder、SRDF、Clarion SnapShot、SnapView、MirrorView)、NetApp SnapMirror、HDS ShadowImageなどに対応している。

拡張性にも優れている。CommandCentral Storage 5.0を実行する管理サーバ1台で、最大で6PBのストレージ、1万2,000のスイッチポート、3,000台のホストまで管理できる。データセンター全体をカバーできる規模であり、現状ではここまでの拡張性を実現している競合製品はないはずだ。

標準仕様としてSMI-S 1.1に準拠している。日本のベンダでは、富士通がSMI-S 1.1をサポートしているため、富士通のストレージはこれを通じて管理できる。また、iSCSI(IP-SAN)のサポートも追加された。

Enterprise Reporter 5.0

Enterprise Reporterは、グローバルレベルでのストレージ可視化を実現するレポーティングツールとなる。

現在、ITとビジネスにはギャップがある。ストレージチームはストレージの運用レポートを提出するが、事業部や経営陣が欲しいのは「どういう人がどれほどのコストをストレージに費やしているのか」といった、組織と関連付けられた情報だ。ストレージに関しても、"BI(Business Intelligence)"的な情報が必要とされているのだ。そこで、Symantecはコグノスとのパートナーシップを確立し、同社のBIツールのテクノロジーを導入した。これにより、経営陣が必要とするBI的なレポートを、Enterprise Reporterで出力することが可能になった。

Enterprise Reporterのユーザーメリットは大きく3つある。

まず1つが、複数拠点のデータセンターに分散配置されたCommandCentral Storageから上がってくる情報を一元化し、1つのビューで見ることができることだ。

2番目は、上級の経営幹部が必要とするような、BI機能に基づくビジネス視点での洞察(Business Insights)が得られることだ。

3番目は、カスタマイズが容易なことだ。従来なら、欲しい情報に合わせてデータベースから必要なデータを集めるSQL文を組み合わせるなど、数日がかりで実現していたカスタマイズも、基本的にはドラッグ&ドロップだけで数分程度で完了する。この点も、ビジネスで必要な情報を迅速に得るために大きく役立つ。

Process Automation Manager 5.0

Process Automation Managerは、運用管理作業の自動化に役立つ。現在実行している作業の詳細を把握し、ワークフローに取り込むことで作業の自動化を実現できる。ストレージ管理に関わるさまざまなタスクのオーケストレーションを行うワークフローエンジンと位置づけられる製品だ。人的ミスをなくし、運用コストを削減することにも繋がる。

ストレージのサービス化のための4つのステップに対応させると、まずCommandCentral Storageによって「1. 現在の環境を把握」が実現できる。続いて、「2. 利用率を向上」では、CommandCentral StorageとEnterprise Reporterを組み合わせることで必要な情報を入手し、効率改善を実現できる。「3. 運用を改善」では、CommandCentral StorageとProcess Automation Managerを組み合わせ、運用管理作業を自動化していくことができる。「4. ストレージをサービスとして提供」の段階では、3製品すべてを組み合わせることで、利用率が向上し、最適化されたストレージ環境を自動的に運用管理し、ビジネス視点でのレポートを見ることができる。