では、具体的にWindows Vista SP1はどのようなアップデートになるのか。以下が現時点で予定されている内容だ。
「品質向上」では、まずリリースされてきた全てのアップデートが一括提供される。セキュリティ分野では、セキュリティソフトベンダーがWindows Security Centerを通じてユーザーとよりセキュアにコミュニケーションできるようになる。また64bit版のVistaでサードパーティのセキュリティソフトがカーネルパッチ保護と連係するためのAPIが含まれる。さらにRemoteAppプログラムのセキュリティ、BitLocker Drive Encryption (BDE)の多要素認証への対応などが強化される。
より安定した動作もポイントの1つ。Windows XPからVistaへのアップグレード、スリープ/レジュームへの切り替え、ハイバネートやレジュームモードからの復帰が改善される。さらにユーザーからの報告を元に、新しいグラフィックスカードやネットワーク・コンフィギュレーションの特定の利用状況における障害など、様々な問題が解決される。
パフォーマンス向上という点では、ファイルのコピーや解凍の高速化、CPU利用の最適化やJavaScript parsingによるInternet Explorer 7の性能向上、バッテリー駆動時間の延長、ファイル共有においてネットワークブラウジングがバンド幅を消費する問題の解決などが含まれる。
「管理性の向上」には、BitLocker Drive Encryption によって暗号化されるローカルボリュームの拡大、ファイル共有問題を解決するNetwork Diagnosticsツールの提供、Disk Defragmenterを動作させるボリュームの管理者コントロール、Windows Terminal Serviceセッションからローカルプリンターで印刷する際の問題の解決などが含まれる。またグループポリシー管理の簡素化を求める声に応えて、グループポリシー管理ツールが変更される。
SP1によるWindows Vistaへの機能追加が小規模であっても、「新たなハードウエアおよび標準のサポート」は搭載PCの進化を手助けすることになる。現時点では、フラッシュメモリーで採用される見通しのexFATファイルシステム、Secure Digital (SD) Advanced Direct Memory Access (DMA)、x64 EFIを用いたネットワークブート、Direct3D 10.1、Secure Socket Tunneling Protocol (SSTP)などのサポートが追加される予定だ。